文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

2004-01-01から1年間の記事一覧

長崎事件ー現場責任者(担任)が職場放棄してどうするのか。

長崎事件のテーマは、ネット批判から家庭問題、あるいは学校当局の問題に移行しつつある。むろん、最終的にはこの少女個人の問題に帰着することは当然だが、その前に現場の責任者を徹底的に追及するべきだろう。ネット批判と言うような抽象的な一般論にすり…

「シニフィアンのたわむれ」としての長崎事件。

理由や原因や目的のわからない事件に出合うとわれわれはどうするか。衝撃を受け、動揺し、不安になる。いつまでもそういう状態を続けることはできないから、早く答えを見つけて落ち着こうとする。つまり、人は(大衆もマスメディアも……)、手っ取り早く手に…

ネット批判で一件落着ですか。よかったね、校長先生!!

「長崎喧嘩」という言葉を知っていますか。『葉隠』にある言葉ですが。上方や江戸の口先だけの喧嘩に対して、喧嘩となれば問答無用と一気に切り殺す喧嘩のことです。長崎で凶悪な少年犯罪が続発していますが、ふとこの言葉を思い出しました。 さて、長崎女子…

ジェンキンス騒動は政府無策の隠蔽工作ではないのか?

蓮池・地村家の子供たちが帰国したことによって、マスコミや国民、政府の関心はジェンキンス問題に移っているようだが、僕はまったく関心がない。 曽我さんの立場や境遇には同情するが、今、いたずらにジェンキンス問題を騒ぎ立てることは他の拉致被害者の生…

小泉首相は、朝鮮総連の大会にこんな祝賀メッセージを

「朝鮮新報」によると、小泉首相は、朝鮮総連の大会にこんな祝賀メッセージ(代読)を送っているらしい。いやはや。言い訳だけはご立派。 以下引用。≪〈総聯第20回全体大会〉 小泉純一郎自民党総裁の祝賀メッセージ ≪ このたびの朝鮮総聯第20回全体大会…

日大芸術学部教授・清水正を励ます会。

昨夕、御茶ノ水の「山の上ホテル」で、日大芸術学部教授・清水正を励ます会があり、出席した。新著『チェーホフを読め』(鳥影社)の出版を祝う会である。清水氏は、筆力旺盛で多産型の評論家・学者で、すでに膨大な量の著書を持っているが、出版会なるもの…

小林よしのりは、思考のバランスを崩している。

========================================= 小林よしのりは、思考のバランスを崩している。 ========================================= 久しぶりに小林よしのりが『sapio』に連載している政治漫画『ゴーマニズム宣言』を読んだ。別に感想はない。ただ小林…

再び、蓮池・地村夫妻に「政治責任」はないのか?

====================================== 蓮池・地村夫妻に「政治責任」はないのか? ====================================== ■小泉政権の政治的危機を救うために? 小泉総理は、またまた突然の北朝鮮訪問、キム・ジョンイルとの首脳 会談、そして蓮池・地村…

70年代アメリカで、ケインズ経済学は、なぜ、失墜したのか?

昨夜は、雨の中、霞ヶ関、霞山会館で行われた「丹羽経済塾」に出席。フィリップス曲線(雇用と物価の相関関数)を使って、70年代アメリカ経済においてケインズ経済政策が信用を失った理由を分析。好況→物価高、不況→物価下落という常識的な思考によって、…

蓮池、地村夫妻に政治責任はないのか?

小泉総理の政権延命工作の一環にすぎない「拉致家族帰国」の政治ショーが、実現するそうである。まことにめでたいことである。さすが小泉さん、と言いたい所だが、ちょっと待ってもらいたい。そもそも、拉致被害者のほんの一握りに過ぎない蓮池、地村の二家…

渋谷「青い部屋」で、ピンクローターズを見る!

渋谷にある「青い部屋」へ。その前に某氏と渋谷駅で7時に待ち合わせ、センター街の居酒屋へ。そこで遅れてきた横浜市大卒の金融、ライフ・コンサルタントのK氏を紹介される。僕と同種の人間らしく、話はかなり過激に進む。そして10時前に、東口の「青い…

 福田官房長官辞任を歓迎する!

福田官房長官が辞任したそうだ。結構なことだ。僕は、今度の景気後退の一番の原因は、福田官房長官の「長期居坐り」にあると思っていた。 もう一人の犯人を付け加えるとすれば、すでに辞任したが、速水前日銀総裁。 はっきり言って二人とも役不足。人物、能…

平河サロンで鈴木淑夫先生の「日本経済分析」を拝聴。

昨夕は、同郷の税理士四本氏を誘って平河サロンへ。文春ビル前で待ち合わせ。僕は埼玉大学から直行したが、四本氏はすでに20分ぐらい前に到着していた。 四本氏は長い国税庁勤務ののち独立、現在九段で税理士事務所を経営している。藤井厳喜氏の忘年会でた…

中村修二は「産業スパイ」だった…のか?

■中村修二「裁判闘争」と「テーミス」 私が「中村修二問題」について考える時の資料は、主として雑誌「テーミス」である。実は、私も昨年末にこの雑誌から原稿依頼を受け、今年の初頭に経済コラムを書いたのだが、ちょうどその頃、相前後してこの雑誌に掲載…

ネットこそ「マスコミの嘘」を暴く健全な言説空間である。

例の「人質3人組」とその家族に対するバッシングがすごいらしい。と、マスコミ(テレビ)に登場したコメンテーターや週刊誌が批判的に問題にしている。たしかに2チャンネルなどのカキコミはすごい。高遠家や今井家の経済状況や氏素性、思想遍歴まで暴き出し…

テレビは、なぜ、「人質三人組」の蛮行を批判できないのか?

批評とエッセイの違いについて考える。 実は、今、久しぶりに「爆笑問題」の司会するTBSの討論番組を見ている。いわゆる「イラク人質解放問題」に関する番組のようだ。冒頭で、太田光が「高遠・妹」の頭は短すぎる、何故だと……きついコメントをして始まっ…

絲山秋子は川端康成賞、鷺沢は首吊り自殺?

《 第30回川端康成文学賞(川端康成記念会主催)は16日、絲山秋子氏の「袋小路の男」(「群像」2003年12月号)に決まった。賞金は100万円。贈呈式は6月25日、東京・虎ノ門のホテルオークラで。(共同通信)》 昨年、「文学界」新人賞でデビュ…

山崎行太郎の『月刊・文藝時評』 【「月刊日本」連載!!】

■文壇的な社交よりも文学精神を優先せよ! 私が、最近、注目している笙野頼子、柳美里、それに新人の絲山秋子の三人の女流作家が、それぞれ個性的で挑発的な作品を発表しているので、この三人について書いてみよう。というのは、この三人の作家とその作品には…

被害者家族たちの演じる猿芝居の数々??????

被害者ほど胡散臭いものはない。被害者や弱者という立場に立つと、「すべてが許される」(ドストエフスキー)と錯覚するらしい。まるでオモチャ売り場で寝転がって泣き叫ぶ子供だ。手がつけられない。 むろん、僕が言いたいのは「イラク人質事件」被害者家族の…

池袋メトロポリタンホテルで日大文芸学科教員懇親会。

今年の四月から日大芸術学部で、「日本文芸史」と「エッセイ研究」を担当することになった。昨夜はその文芸学科の教授、助教授、事務局、講師などが揃っての懇親会だった。むろん僕にとっては初めての懇親会だ。しかし専任のスタッフにも非常勤講師の先生た…

福田和也・坪内祐三編同人誌「エンタキシー」を読む

昨日、「エンタキシー」という雑誌が送られてきた。福田和也や坪内祐三が編集する同人雑誌だ。どうしたわけか、前号あたりから送られてくるようになった。送呈リストにボクの名前が載っているのだろう。仕方なくパラパラと立ち読みする。雑誌の作り自体はう…

慶応義塾大学日吉キャンパス再訪。

慶応義塾大学日吉キャンパス再訪。 昨日、久しぶりに、慶応日吉キャンパスに行ってきた。入学式で人がごったがえしていたが、かえってそれが幸いして、人ごみにまぎれて、教室の中まで侵入できた。なつかしい40年前の教室がそこにはあった。机と椅子も変わ…

白洲次郎・白洲正子旧邸「武相荘」訪問記

■2004/04/02 (金) 白洲次郎・白洲正子旧邸「武相荘」訪問記 昨日、町田の白洲正子旧邸「武相荘」に行ってきた。鶴川駅から歩いて15分ぐらいで着いた。午後3時ごろから3時間いたが、その質素で、静かなたたずまいには、いつまでもが離れがたいものを感じ…

日本政策研究センターの伊藤氏から

〓日本政策研究センターの伊藤氏から 日本政策研究センターの伊藤氏から、機関誌「明日への選択」の「一刀両断」用のコラム原稿の依頼を受けたのは、田舎にいる時だった。 小生のホームページで公開しているメールアドレスからの依頼であった。伊藤氏は、某…

虎ノ門・霞山会館の「丹羽経済塾」に出席。新生銀行問題について・・

昨日は、経済学者丹羽春喜先生を中心にした勉強会「丹羽経済塾」に出席した。噂には聞いていたが、出席するのははじめてである。実は、先日、丹羽先生からこの塾の案内をいただき、是非出席していただきたい、とのお誘いを受けた。かねがね尊敬する丹羽先生…

やっと元の生活に戻れそうだ。

身近に不幸があり、三週間前後、田舎に帰っていた。喪に服していたと言うべきか。たまたま春休みに重なったために、時間がたっぷりあった。亡くなったのは深夜午前二時半だったが、最期に立ち会うことができた。望外のしあわせ。今は、満足している。 正直の…

ドストエフスキー的狂気からチェーホフ的狂気へ

ドストエフスキー的狂気からチェーホフ的狂気へ ドストエフスキーの名前を聞くたびに、私は、いつもほぼ同世代の清水正の名前を思い出す。清水正の名前は、ドストエフスキー研究家としてすでに学生時代から有名だった。いつごろのことか正確には記憶していな…

判決文しか読まない日垣隆クン、

■2004/02/23 (月) 判決文しか読まない日垣隆クン、 ■「バカの壁」族だった日垣隆 日垣隆という人が、「エコノミスト」の「敢闘言」で、無知・無学・無教養をさらけ出して、頓珍漢な怪気炎をあげているのを、友人に教えられて読んだ。「青色発光ダイオード」…

■2004/02/01 (日) 中村修二氏の発明「200億円」判決は、美談か? 青色発光ダイオード発明の権利をめぐって争われていた裁判で、会社側に200億円の支払いを命じる判決が下ったらしい。今や松井選手なみの国民的スターになったかに見える中村修二と言う人…

日大芸術学部の特別講義で「小林秀雄を語る。」

先週の水曜日の午後、江古田の日大芸術学部に出掛けた。その日のことを書き忘れていたのでここに書いておこう。ちょうど1週間前のことである。実はその日、文藝学科の清水正(まさし)教授に特別講義を依頼されていた。清水教授の最終授業の時間を2コマ使って…