文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

ネット批判で一件落着ですか。よかったね、校長先生!!

 「長崎喧嘩」という言葉を知っていますか。『葉隠』にある言葉ですが。上方や江戸の口先だけの喧嘩に対して、喧嘩となれば問答無用と一気に切り殺す喧嘩のことです。長崎で凶悪な少年犯罪が続発していますが、ふとこの言葉を思い出しました。
 さて、長崎女子児童刺殺事件から、すぐ、一日も経たないうちにネット(チャット)批判が飛び出してきました。わかりやすくて、とってもおいしい「答え」が見つかったと言うわけです。新聞もテレビも大喜びです。そりゃそうでしょう、メディとしての機能と役割をすっかりネットに奪われて、いまや衰退の一途にあるテレビや新聞という大手メディアしては、起死回生のチャンスですから。
 例によって、新聞やテレビ画面に登場して得々と見当違いの分析と解説を加えているバカなカウンセラーや教育評論家、ジャーナリストたちがいますが、学習能力が著しく欠如しています。台本どおりにワンパターンのネット批判を展開していますが、そんな話にうなづくのはテレビ呆けした老人と主婦だけでしょう。誰も本気でテレビなんか見ていないって。新聞ですか。新聞も当り障りのないことしか書かないでしょう。その意味でネット元凶論はもっとも安易なネタであり回答なのです。昔、マンガ批判、テレビ俗悪番組批判とかありましたが、あれと同じです。悪書追放運動なんてありましたね。悪書処分用の白い箱とか。
 そんなことを言い出せばきりがありませんが、昔は「小説を読むな」「小説なんか読むと不良になる」なんて言われた時代もあったそうです。小説も「力」をもっていたということです。
 ところで、この「長崎喧嘩」問題の本質はどこにあるのでしょう。
 ネット? そんなところにはないでしょう。
 ではどこにあるのか。
 しかし、あまりあせらずに、しばらくは先生方の講釈を聞かせてもらいましょう。
 高見の見物でもしましょう。一週間ぐらいは熱いネット批判が続くでしょうから。そういう時は、何を言っても無駄です。