文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

絲山秋子は川端康成賞、鷺沢は首吊り自殺?

 《 第30回川端康成文学賞川端康成記念会主催)は16日、絲山秋子氏の「袋小路の男」(「群像」2003年12月号)に決まった。賞金は100万円。贈呈式は6月25日、東京・虎ノ門ホテルオークラで。(共同通信)》
 昨年、「文学界」新人賞でデビュー以来、一貫して支持し、絶賛してきた僕としては、これでホッとしたというところだ。二回も、芥川賞を逃して落胆していているのでは、と思っていたが。しかし、川端賞って中堅以上がもらう文学賞じゃなかったっけ。あまりにも最近の文壇の回転速度が速くて、絲山秋子もすでに中堅作家扱いということだろうか。「文学界」5月号に掲載されている「勤労感謝の日」にもこの作家の特質がよく出ている。失業した「総合職OLの怒り」を爆発させた傑作だ。やはりタダモノではない。

 さて、一方では、心筋梗塞で急死と伝えられていた鷺沢さんが、実は首吊り自殺だったというニュースが流れているらしい。昨夜、某所の勉強会で聞いた。うーーん。なんともコメントしようがない。僕は一度だけ会ったことがある。その時は、マージャンに誘われたが断った記憶がある。僕はマージャンはしたことがなかったからだ。

 植草教授逮捕事件で新しい展開が……。容疑を認めていると伝えられていた植草一秀教授が、一転して容疑事実を否認、不当逮捕だと抵抗しているらしい。また一部には、小泉経済政策批判を続けていた植草教授はハメられたのではないかという説もある。つまり常時、尾行されていたのではないか、と。僕も、鈴木宗男逮捕以来、小泉政治は「公安政治」の臭いがすると警告してきた。小泉批判は「逮捕覚悟」でなければできない、と。しかしそれにしても植草教授は少しワキが甘すぎたのではないか。経済学者としては高く評価していただけに、こんな低次元の不祥事でつぶされるなんて、非常に残念だ。

 どうでもいいことだが、イラクで人質になっていた三人が解放されたらしい。これでやっと静かな生活に戻れる。それにしても日本政府は、この事件解決のためにいくらカネを使ったのだろう。三人はチャーター機で凱旋帰国とか。
 また見せられるのか、大根役者の猿芝居。


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1947年生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科卒。慶應義塾大学大学院修了。東京工業大学講師を経て、現在、埼玉大学講師。朝日カルチャー・センター(小説教室)講師。哲学者。作家。文藝評論家。

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