文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

池袋メトロポリタンホテルで日大文芸学科教員懇親会。

今年の四月から日大芸術学部で、「日本文芸史」と「エッセイ研究」を担当することになった。昨夜はその文芸学科の教授、助教授、事務局、講師などが揃っての懇親会だった。むろん僕にとっては初めての懇親会だ。しかし専任のスタッフにも非常勤講師の先生たちにも、佐藤洋二郎、夫馬基彦、中村文昭、井出彰多岐祐介さんなど、顔見知りが多く初めてとは思えない。雑談している途中で新任スタッフとして最初に紹介される。突然のことで、何をどこまで話していいかわからず、やや緊張気味の短い挨拶になってしまった。福島泰樹さんがVサインを送ってくれたのでホッと胸を撫で下ろす。校條剛小説新潮」元編集長も、新しいスタッフとして僕の後に挨拶したが、堂々たる「大衆文学論」の演説に脱帽。僕ももっと喋れば良かったと後悔するが、後の祭。いずれにしろ来週からガイダンスと講義がはじまる。学生の中には、優秀なプロの卵たちも多数集まっているらしいので楽しみだ。「日芸」のスタッフには創作や実作に関してはプロの作家が何人も揃っている。したがって僕の授業は批評が中心になる。しかも理論中心でやっていくつもりだ。「小林秀雄柄谷行人を中心に、日本の近代批評の本質を探る……。」が今年、1年間のテーマだ。
 清水正教授がまた新しい本を出したらしい。『チェーホフを読む』(鳥影社)。早速、できあがっばかりのものを1冊いただいた。立派な装丁に驚く。もちろん、中身も濃い。実は、付録冊子に、僕も推薦文を書いている。「ドストエフスキー的狂気からチェーホフ的狂気へ」という短い文章だ。
 「清水正」というドストエフスキー研究のプロがいる日大に出講するのを機会に、僕もドストエフスキーの勉強をやり直すつもりだ。僕の場合、「ドストエフスキー大江健三郎」が文学の世界に入るキッカケだった。しかし、雑用にまぎれているうちに、いつのまにかその頃の「初志」を忘れがちになる。ドストエフスキーを読みかえすと思い出すだろう。