文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

ケインズとマルクス

国民新党のケインズ主義的な経済政策を評価する。

←この記事にピーンときたら、ワン・クリック、お願いします! 国民新党の動きが面白い。選挙結果は、島根県の「亀井女史」の大勝利以外は、たいしたことなかったように見えるが、選挙戦最終日の盛り上がりは半端ではなかったようだ。これは、産経新聞の山本…

フリードマンが死んで、新自由主義経済学の時代は終わるのか?

わが国の国民生活をズタズタにした小泉改革、いわゆる竹中改革の経済学的な理論的支柱の一人であったアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンが死亡したらしい。ルーカスとともに「反ケインズ経済学」の時代を象徴する経済学者だったが、はたしてフリード…

マルクスとケインズは「何を」見たのか?

マルクスとケインズは「何を」見たのか?それは不均衡であり非対象性であり等価 交換である。小林秀雄は、芸術家は最初に虚無を所有する必要があると言ったが、 小林秀雄の言う「虚無」こそが、マルクスやケインズが見たものである。言い換え れば、「虚無よ…

リバータリアニズムからアナーキズムへ ーー「小さな政府」主義の危険な落とし穴ーー

自民党小泉一派が主張する「小さな政府」とは、言うまでもなく何もしない政府(笑)…のことである。そしてその行きつく先は政府そのものが必要ないと言う無政府主義(アナーキズム)である。 むろん、これは極端な議論だが、「小さな政府」という美しい言葉…

ブキャナン「公共選択論学派」の「小さな政府論」の「反ケインズ主義的謀略」

今までとおり、まだ「反ケインズ主義」の経済学的な理論的根拠としての「ルーカス問題」の分析と解明を続けていくつもりだが、たまたま衆院選挙に大勝した小泉首相の「所信表明演説」を読む機会があったので、ちょっと脇道に逸れることになるかもしれないが…

小泉・竹中改革の「貧困の哲学」・・・・「歳出削減」と「大増税」しかない。

小泉改造内閣は、財政赤字解消を目指して財務省主導で大増税路線を突進中と思いきや、なんとあの竹中平蔵新総務大臣を筆頭に、「増税より歳出削減が先だ…」というキャンペーンを張り出した。私に言わせれば、小泉・小泉・竹中改革においては歳出カットと大増…

経済学者には経済がわからない…という逆説

ここで、もう一度、現在の日本経済が陥っている「平成不況」の病根とその起源について述べておこう。実はそこにこそフリードマンやルーカスの存在が暗い大きな影を落としているからだ。日本では、バブルの前後から、無根拠ないかがわしい経済学的な風説が日…

クラウディング・アウト現象の政治経済学

フリードマンの反ケインズ主義の理論的な根拠の一つが「恒常所得仮説」にあることは前に書いたが、「ケインズ的総需要拡大政策は無効だ…」という、もう一つの反ケインズ主義の理論的仮説についても、丹羽春喜教授の論文を引用しながら説明しておきたい。 私…

ルーカス革命の哲学的限界

30年前のルーカス批判(革命)は未だに有効なのか。某経済学者によると、アメリカの大学院教育やアカデミズムではいまだに圧倒的に有効らしい。 アメリカのアカデミズムにおいて主流の立場にある新古典派マクロ経済理論は、基本的に完全雇用状態を前提としてい…

ルーカスの「ルーカス批判」に≪哲学≫ありや?

ケインズ経済学批判は、ロバート・ルーカスの「ルーカス批判」で決定的な段階を迎える。それ以後、「ケインズ経済学は古い…」「ケインズ的経済政策は無効だ・・・」という言説が、アメリカだけではなく日本でも、無批判的に蔓延することになる。 では「合理…

ルーカス方程式と「合理的期待仮設」

「ルーカス総供給方程式」によると、総需要(有効需要支出のマクロ的 総額)がいくら増えても実質的には生産は伸びず経済成長も雇用拡大も 起こらない・・・ということになり、これがケインズ経済学的な「総需 要拡大による不況の克服、あるいは景気回復・経済…

貨幣形態が交換の神秘(価値形態)を覆い隠す。 

小泉・竹中路線の経済・運営に関しては理論的にも実践的にも、非難・批判が、巷に横行している。しかし竹中や本間等の学者・エコノミストグループ、あるいは宮内、奥田等の財界の小泉支援グループを初めとする小泉政権の経済ブレーンは、それらの批判に対し…

「マンデル・フレミング効果」の政治経済学

新しい経済学理論としての「クラウディングアウト現象」や「マンデル・フレミング効果」が、一時期、日本でも一種の流行思想であったことは言うまでもない。もしこの流行思想の本質が「ケインズ批判」にあるとすれば、そこにケインズ派とフリードマン等の間…