文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

Amazonの『曽野綾子大批判』書評を読む。久米秋三郎氏に続いて二つ目の書評が・・・。かなり的確で、重要な書評だと思われるので、参考までに、以下に引用する。さて、今日、久しぶりに、大宮駅前のジャスコ8fにある三省堂に立ち寄ったので、『曽野綾子大批判』があるかどうか、確かめてみた。1冊、あった。がっかりした。ないよりはましだが・・・。ついでに小林リズムさんの『辞め8』も調べて見たが、これも一冊・・・。うーん。

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■曽野氏の作家生命の危機? 2014/5/4ーBy さんげつ


左と右の論客二人の対談本で、劣化した保守論壇の象徴としての曽野綾子氏とその亜種が俎上に載せられる。付録に江藤淳・佐高対談と山崎論考。


話題は多岐にわたるが、最も具体的で詳しいのが、渡嘉敷島の集団自決を扱ったノンフィクション「ある神話の背景」である。曽野氏はここで自決命令を出したと言われる赤松隊長擁護の論陣を張り、一部の人には「現地調査に基づく決定版」と高く評価された。しかし、山崎氏が示す実態は驚くべきものだ。なにしろ、主張の根拠は捏造文書、論理は杜撰、公の席での発言は嘘、さらには誤読もという有様である。この本を根拠に大江氏と岩波書店を相手取って名誉毀損の裁判を起こした人がいたことを思えば、昨今世間を騒がせている捏造事件なぞかわいいものである。

曽野氏は山崎氏の批判をこれまで黙殺しているようだ。しかし、理を尽くした批判にはきちんと応ずるのが言論人の誠実さというものだろう。ことに、曽野氏は中学校の道徳副読本に登場し、生徒諸君は氏から誠実さを学ぶことになっている。範を垂れることを望む。

曽野綾子的なものが跋扈するようになった原因は、著者らによれば論壇が批判力を失って劣化したことである。しかし、曽野氏の場合、現に本書の佐高、山崎両氏という手強い論敵がいるのに何故という疑問がわく。そこには、曽野氏の巧みな、論争をかわす交渉術、論壇遊泳術、人心掌握術があったということだろう。これにまつわるエピソードと対談者の見方は興味深い。

佐高氏によると曽野氏批判はタブーになっているとのこと。しかし、論壇にそのようなものはあってはならず、論争の場に裁判を持ち込むなぞ言語道断。言論による真剣勝負こそが論壇の劣化を防ぐ道だと熱っぽく語る二人のスリリングな対談である。


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