文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

二荒山神社の「おたりや」から、夜の葛飾柴又「帝釈天」へ


「お前は何をしてきたのだ……と、吹き来たる風が……」と中原中也のように寒風を背中に浴びながらつぶやいていると、今週もアッという間に過ぎそうで、ブログを書く時間もなかったのだが、そういいながら、昨夜は、「男はつらいよ」でお馴染みの葛飾柴又の帝釈天に行って、鰻を食って来た。むろん、柴又帝釈天なんてはじめてである。埼玉大学の午後の授業を終えてから駆けつけたので、到着した時はすでにトラさんでお馴染みの仲通りの店は閉まり、暗闇の中だったが、帝釈天周辺の風景はなかなか興趣深いものが感じられた。中国人のジャーナリスト、評論家の石平氏が、めでたく「日本国籍」を取得し、日本人になったということで、国際政治評論家の藤井厳喜氏の企画で、それをお祝いして、「新日本人・石平を囲む会」を、柴又帝釈天鰻屋でやったのである。参加者は他に「保守主義研究会」の岩田氏。石平氏によると、「日本国籍をとる方法」と「日本人になる方法」はなかなか傑作なようで、その珍談は、「月刊日本」の次号に書いたそうであるから、是非、日本政府の法務省国籍担当の役人達の働きぶりの実態が知りたい方は、読んでもらいたい。そういえば、今週は神社に縁があった。たまたま通りかかった宇都宮オリオン通りでお神輿に出会い、それに釣られて「二荒山神社」(ふたあらさん)の山の上まで上ってみると、ちょうど「おたりや」の日で、一年、お世話になった達磨や破魔矢を焼く日らしい。普通の神社では「どんど焼き」とかいうらしいが、よくわからないままに、お参りし、燃え盛る炎に手をかざしつつ、コップ酒を一杯飲み、ついでに纏の飾り物を買って帰って来た……と書いていたら、今週は月曜日に、「沖縄集団自決裁判」のテーマで「週刊金曜日」の副編集長のI氏の取材を受け、その後、武蔵浦和のサッカー焼き鳥屋「力(リキ)」で飲んだことを思い出した。小生の書いた「沖縄集団自決裁判批判(曽野綾子批判)」が、方々で話題になっているらしく、『すばる』の沖縄特集の記事の中にも、小生のブログが引用されている、と伊田氏に教えられたのだが、『すばる』はもちろん文芸誌であり、僕も毎号、贈呈していただいている上に、「文藝時評」のために毎号、目を通しているのだが、さすがに自分のブログが引用されていることまでは気付かなかった。I氏に教えてもらわなければそのまま見過ごしていたことだろう。考えてみるまでもなく、新聞や雑誌、週刊誌等を中心とした従来型の文字情報というものは、そういうふうにして、見過ごされ、消えていくものが少なくないはずで、昨今の永久保存状態で、いつでも、誰でも簡単にパソコン画面に呼び出し、再読、三読可能なブログやホームページのネット情報とは違うところだろう。あらためてネットの力を実感する日々であるが、しかし不思議なことに、ネットに馴染んでネットにしばしば書き込みを繰り返している若い世代に、ネットやブログの情報を軽視し、蔑視し、終には卑下し、逆に有名文化人達の垂れ流す新聞や雑誌の情報を過大評価し、過大解釈している若者達が少なくないのは、どういうことだろうか。プロとアマが明確に区分分けされ、プロの書き手からアマの読者へと、一方通行的に垂れ流される文字情報の権力構造へのあこがれでもあるのだろうか。いずれにしろ、「プロの書き手からアマの読者へと、一方通行的に垂れ流される文字情報の権力構造」そのものが、次第に崩れようとしているのが現在のネットによる文化革命の実態なので、もっと自分達の発信するネット情報の力を評価し、あるいはネットやブログにタダで情報を書きまくっている有名、無名の文化人やジャーナリストの記事を、たとえば僕が最近、書き続けている「沖縄集団自決裁判」批判の記事の影響力を考えるまでもなく、もっと正確に評価し、ある場合にはもっと重視し、自分達の発信する素人のネット情報にももっと自信を持てよ……と言いたいところだが……。ところで、「高文研」という出版社をご存知だろうか。今では、「沖縄集団自決裁判」ですっかりお馴染みになった出版社だが、裁判の行方にも大きな影響を与えると思われている宮城晴美氏の『母の遺したもの』の改訂・復刻版が、今月末に店頭にならぶらしい。担当編集者から連絡をいただいたので、ここで紹介しておこう。宮城晴美氏の『母の遺したもの』を読まずに、、「沖縄集団自決裁判」を語るなかれ……である。ところで、夏季休暇の折、毒蛇山荘で行った清水正日大教授との対談をまとめた『現在進行形のドストエフスキー』も近刊を目指して進行中であるので、来週からは真面目に頑張ろう……。


■お知らせ。
「沖縄集団自決裁判」関連の情報提供は、著作権や引用、出典など、面倒な問題が発生する可能性がありますので、直接、小生宛のメールでお願いします。その後は、情報提供者に迷惑がかからないように、小生の「自己責任」において判断し、対処・処理していきます。というわけで、しばらくコメント欄も停止します。コメントや情報提供は、コチラへ→ http://form1.fc2.com/form/?id=121736




にほんブログ村 政治ブログへ←この記事にピーンときたら、ワン・クリック、お願いします!