文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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朝日新聞「社説」の「西村真悟批判」を読む。(↓↓↓)

西村真悟代議士の、これまでの政治家としての仕事と業績が、うまくまとめられている。なかなかいい読み物だ。あらためて西村真悟という政治家の「大きさ」がわかる。

【社説】2005年11月29日(火曜日)付
西村議員逮捕 民主党の罪も深い

 民主党西村真悟衆院議員が、弁護士法違反の疑いで逮捕された。
 右翼団体に属していた人物に、自分の弁護士名義を使わせ、数年にわたって交通事故などの示談交渉をさせていた。依頼者から受け取った報酬は、この人物と折半し、年間数百万円を得ていたらしい。
 金をもらって名義を貸し、実際の示談交渉を丸投げする。まさに悪徳弁護士のやり口だ。しかも、西村議員は国民の負託に応えるべき国会議員である。
 事件の全容解明は大阪地検特捜部と大阪府警の捜査を待つとしても、もはや弁護士としても、国会議員としても、その任に堪えないことは明らかだ。
 西村議員は逮捕後に容疑を認めたという。一方で、「議員としての職責は別」として、議員を辞職しない考えを示していた。とんでもない考え違いである。ただちに自らけじめをつけるべきだ。
 それにしても、今回の事件であからさまになったのは、こんな議員を抱えていた民主党の罪の深さだ。
 西村議員の国会議員としての資質には、かねて疑問があった。
 民族主義者を自任し、97年には中国と領有権争いのある尖閣諸島に国会議員として初めて上陸した。99年には雑誌の対談で、日本の核武装の検討を唱え、防衛政務次官を辞任せざるをえなかった。
 2年前には、「建国義勇軍」などを名乗って銃撃事件を起こした刀剣愛好家団体の最高顧問に就いていたことが発覚した。こんな暴力的な団体とかかわるだけでも国会議員としての責任は免れない。それなのに、西村議員は「団体の活動と犯罪は別物」と開き直った。
 こうした出来事のたびに、私たちは西村議員を厳しく批判してきた。西村議員の所属していた自由党との合併にあたっては、政策を問いつめるべきだと民主党に注文をつけた。
 民主党は、西村議員の主張や体質を十分に知りながら、今回の総選挙でそのまま公認したのである。
 西村議員は総選挙直後には、テロを容認するかのような発言までした。小泉首相について「あれは狙撃してもいい男だ」と語ったのだ。
 総選挙直後に覚せい剤所持容疑で逮捕された小林憲司衆院議員は、かつて薬物疑惑が報じられていたのに、民主党はその後も公認し続けていた。
 議員の資格が疑われる出来事や情報があっても、放置する。そんな構図は西村議員の場合とまったく同じだ。
 今回の逮捕を受けて、民主党は西村議員を党から除籍し、自発的な議員辞職を求める方針を決めた。当然のことだ。
 選挙違反で逮捕された計屋圭宏前衆院議員とあわせ、総選挙から3カ月足らずで民主党の現職・前職国会議員の逮捕はこれで3人目だ。
 前原執行部がここで自浄作用を示せないなら、巨大与党への反転攻勢などは絵空事になるに違いない。




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