文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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琉球処分と日琉同祖論ー伊波普猷論。

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「沖縄学の父=伊波普猷(いは・ふゆう)」


沖縄米軍基地の辺野古移設問題の原点は、明治初期の琉球処分(1879)にある。琉球処分は、近代国家形成過程にあった日本による琉球王国の植民地化である。それを隠蔽するために、近代言語学、人類学、民族学・・・などのの学問を総動員して、考え出されたのが日琉同祖論であった。


日琉同祖論とは、日本は(ヤマト)と琉球王国は、文化的にも、国家論的にも、もともと同じであったという学説である。日琉同祖論と同時に「日鮮同祖論」も主張されたが、そちらも、日本と朝鮮が、歴史を遡れば、文化的にも国家論的にも同一であったという学説である。


日鮮同祖論が、「朝鮮併合」(1910、明治43)のために考え出された理論だったように、日琉同祖論も、琉球併合の正当化のための理論だった、と言って間違いない。日本の敗戦とともに朝鮮半島は「独立」したが、琉球=沖縄は、独立できないままに米軍の統治下に置かれることになる。戦勝国=米国が、アジア支配の戦略的拠点としての琉球=沖縄に固執したからである。


さて、日琉同祖論の中心人物が沖縄出身の言語学者=伊波普猷(いなみ・ふゆう)であった。伊波は、今では、「沖縄学の父」と言われているが、実は、伊波の沖縄学とは、琉球王国を解体し、琉球王国を日本に併合する「琉球植民地化」の正当化を目指す御用学問であったことは否定できない 。


伊波は、驚くべきことに、沖縄処分を、「奴隷解放」と言っている。薩摩藩による琉球侵攻と琉球支配が、「奴隷的支配」だったと言いたかったのだろうか。伊波は沖縄県出身で初めて東京帝国大学に進学、金田一京助らと共に「言語学」を専攻する。金田一アイヌの言語文化を、伊波は沖縄の言語文化を専攻。


この時代の言語学は、極めて 国家の植民地主義的なもの政策と密接に繋がった政治的な学問だった。伊波は、いつの間にか、近代国家・日本帝国の植民地主義政策の先兵を担う役割を果たしていたのである。


ところで、「沖縄独立論」(「琉球独立論」)は、琉球処分が、大日本帝国による不当な植民地化であったと考えるならば、当然、起こるべくして起きた議論だろう。私は、必ずしも沖縄独立論に賛同するわけではないが、その心情が理解できないわけではない。少なくとも沖縄には独立の可能性があるということは、知っておくべきだろう。歴史的、文化的な必然性があるのである。


日本の保守派は、台湾独立派を賞賛する一方で、沖縄独立派を激しく批判=罵倒する。そこには「自己矛盾」があるが、日本の保守派は、「親米保守」であるが故に、そのことに気付かない。「親米保守」とは植民地主義である。つまり、「日本は米国の植民地で構わない」と考える日本人が親米保守である。


日本の歴史と文化を尊重すると主張する「保守派」の思想家や言論人たちがよく使う言葉に「売国奴」というのがあるが、親米保守派の言動を見ていると、まさしく「売国奴的」というほかはない。しかし、保守派にはその自覚がない。それほど思想的に劣化しているということであろう。
(続く)


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