文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

日琉同祖論と沖縄独立論と沖縄ナショナリズムー伊波普猷論(2)。

伊波は、大日本帝国による沖縄植民地化、つまり、琉球処分を「一種の奴隷解放」と賞賛し、「日琉同祖論」的言説を繰り返しながらも、一方では、「古琉球」論を根拠にした「沖縄ナショナリズム」の推進者でもあった。伊波の思想が「二重構造」と言われる所以である。しかし、伊波がどれがけ琉球琉球王国の歴史を愛し、琉球王国の歴史を賞賛したところで、伊波がはたした政治的役割は、日本の沖縄支配を正当化する「植民地主義文化人」のものでしかなかったことも事実である。


伊波普猷の沖縄ナショナリズムは、1609の薩摩侵攻から始まり、明治政府による琉球処分までの時代を暗黒時代とみなし、琉球は、琉球処分によって薩摩支配を脱し、「古琉球」の古代琉球の栄光を取り戻したと見なす。伊波は、日本との対決を避け、琉球処分を正当化する論理を構築する。後に取り消すことになったとはいえ、伊波の沖縄ナシヨナリズムは矛盾に満ちたものであった。しかも、伊波普猷琉球処分正当化論は、現在の保守論壇にまで続く「沖縄論」の定式を補強するものであった。

(続く)


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