サウジとイランの対立、あるいはスンニ派とシーア派の対立。
多くの人が考えているだろうが、アラブ世界が、第三次世界大戦の発火点になるのではないか、と。アラブ世界を覆っているのは、「イスラム国」問題だけではない。イランによるシーア最高指導者の処刑に端を発して、サウジアラビアとイランが国交を断絶するという事態に発展しているようだ。バーレインやイラクなど近隣諸国も追随。理由や原因はどうであれ、世の中に簡単にかたずく問題はないという認識を新たにせざるをえない。
こういう時、必ず、簡単な、そして安直な解決策を提案したり、模索したりする軽薄な文化人や政治家がいるが、そういう人種こそ、危険であることを知るべきだろう。繰り返して言う、世の中に簡単にかたずく問題はない、と。解決することより、考え続けることが大事なのだ。
我が国には、「決断と実行」とかいう言葉が、政治の世界を中心にもてはやされているが、噴飯物である。「決断と実行」というキャッチフレーズは、物事を深く考えようとしない動物的知性の愛好する言葉である。