文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

アラブ問題と慰安婦問題の共通性と差異性。

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年末に突然、沸き起こった「慰安婦合意」と年初に飛び込んできたアラブ世界の「国交断絶問題」。一部の関係者たちは、いちはやい解決=和解を望んでいるかもしれないが、あわてて問題を解決しようとすればするほど、問題をより深刻化させていくように見える。


アラブ世界の断絶問題も、日韓の慰安婦問題も、表層に現れている問題は、ほんの一部である。真の問題は、見えないところで複雑に絡み合っている。アラブ世界の国交断絶問題は、スンニ派サウジアラビアシーア派とイランとの対立=断絶だと見られているが cもちろん、それだけではないだろう。


慰安婦問題は、日韓関係の様々な問題を矮小化させ、それらを典型的に、且つ象徴的に問題化しているわけで、慰安婦問題が解決し、決着がついたところで、問題が解決したことにはならない。


とくに、例によって例のごとく、保守論壇の面々がこだわっている慰安婦の「日本軍による強制連行」があったかなかったかという問題が、科学的に、つまり実証的に解明されたところで、問題の最終決着がつくわけがない。依然として慰安婦問題も日韓問題も残るのである。


それは歴史的、政治的問題であると同時に、心理的問題でもあるからだ。仏独が、歴史的怨念を越えて和解に成功したとしても、日本と韓国(朝鮮)が、同じように和解するだろうと妄想することは自由だが、あくまでも妄想である。日韓に和解や最終決着などありえない。

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現代日本の政治指導者たちには、なにごとも、簡単に決着がつくと思っている気配がある。これは危険である。慰安婦に関する「日韓合意」を、「最終決着」と思いたがる政治指導者たちは、決着を急ぐあまり、何か大事なものを忘れているように見える。それは慰安婦問題の最終決着より、より重大なものだろう。


小林秀雄は、こう言っている。

 吾々われわれにとって幸福な事か不幸な事か知らないが、世に一つとして簡単に片付く問題はない。

遠い昔、人間が意識と共に与えら、れた言葉という吾々の思索の唯一の武器は、依然として昔乍らの魔術を止めない。
(『様々なる意匠』より)

この小林秀雄の言葉は、デビュー作として有名な『様々なる意匠』の冒頭の一節である。この言葉は、批評家・小林秀雄の思考の原点にある言葉だろう。小林秀雄が、他の似たような批評家たちと異なるのは、この「世に一つとして簡単に片付く問題はない。」という認識に関わる。小林秀雄は、ニセの問題とホンモノの問題を見分けようとしている。

(続く)



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イランに断交で連鎖反応 なぜ各国?サウジに同調
テレビ朝日系(ANN) 1月5日 17時10分配信



 サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことに続き、バーレーンスーダンもイランとの関係を断絶したと発表しました。宗派を巡る対立が中東全体に広がる恐れがあります。なぜ、サウジアラビアに同調する動きが相次いでいるのでしょうか。

 
 バーレーンの王家がスンニ派ですが、それに対してシーア派の住民が元々、小規模ながら反王室デモを繰り返していました。バーレーンは「このデモの背景にはイランがいるのではないか」という考え方を元々、持っていました。一方、スーダンは、イエメンの内戦に関わっています。サウジアラビアがイエメンの内戦にも関与していますが、現政権はサウジアラビアに同調する立場を取っています。イエメンの内戦は、サウジアラビアとイランの半ば「代理戦争」のような様相を呈していて、そうしたなkかで、スーダンサウジアラビアに同調するのは、ある意味、当然の結果になっているといえます。
 (Q.この対立の激化は、今後、どう影響していくのか?)
 現在の中東では、欧米とイランの核協議が一定の成果を得たことで、イランの存在感、国際社会で発言権を増しつつあります。つまり、イラン=シーア派勢力が中東で存在感を徐々に増しつつある一方で、スンニ派の盟主たるサウジアラビアが「焦り」を感じているという状況です。実際、イランとサウジアラビアは、様々な場面でお互いに主導権争いをしていて、それが目に見える形で出始めています。こうした対立が今後、中東諸国のあちこちで広がっていく可能性は十分にあります。中東地域の様々な問題、シリアの問題やイエメンの内戦、さらにはイスラム国への対応が今後、色々な局面で中東各国が仲間割れのように反目し合っていく、こうした悪影響が今後も考えられそうです。

最終更新:1月5日 20時53分

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(赤坂の「ANAコンチネンタル」にて)





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