文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

佐藤優とポストモダン。


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佐藤優は、日本がポスト・モダン思想ブームに沸き返っていた時代を知らないらしい。知らなかったことが、佐藤優を「佐藤優」たらしめたといっていい。浅田彰の『構造と力』の登場で、「ポスト・モダン」や「ニューアカ」が、ブームになったわけだが、その結果、マルクス主義を始めとする「大きな物語」を語ることが、ダサイということになった。そういう「小さな物語」に固執するポストモダンブームの時代の後に、佐藤優は、『獄中記』や『国家の罠』を引っさげて颯爽と登場する。佐藤優は、ポスト・モダンブームに乗る「流行思想家」のように、多作を続け、ベストセラーを連発し続けている。しかし、佐藤優は、いわゆる「流行思想家」ではない。彼等と一線を画している。私は、現代日本の読書界や出版業界界隈で、佐藤優は、「一人勝ち」を続けていると考える。何故か。佐藤優の「一人勝ち」は、ポスト・モダンブームと無縁ではない。ポスト・モダンブームに浮かれた「似非思想家」たちは、浅田彰東浩紀らを筆頭に、思想的には死んでいる。佐藤優の文章だけが生きている。佐藤優だけが「歴史的現実」(田辺元)と渡り合っているからだ。


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