文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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櫻井よしことネット右翼と「中国脅威論」。

dokuhebiniki2015-05-10


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櫻井よしこネット右翼の頭の中は、「中国脅威論」で一杯のようだ。確かに、柄谷行人も言うように、政治哲学的には、国家というものは、近隣諸国との関係によって成立している。国家は一国だけで成り立つものではない。外国からの脅威があるからこそ、国家は国家たりえている。これは、国家の起源に関わる原理論であり本質論である。


それはともかくとして、隣国との関係だけに夢中になりすぎることは一種の神経症であり、 病気である。隣国からの脅威を煽ることは、国内の政治問題から目を逸らす隠蔽工作である。未熟で無能な政権がよくやる政治手法である。中国の「反日キャペーン」や「反日暴動」あるいは韓国の「慰安婦騒動」などもその一種であろう。


小泉政権以来、日本も、「隣国の脅威」を煽ることが主要な政治課題になっている。つまり、中国や韓国並みの政権運営をする三流国に成り下がりつつある。その分岐点は、北朝鮮拉致問題だった。小泉政権以来、拉致問題が日本政治を大きく歪めている。


政治家たちが競って「拉致バッジ」をつけ始めた頃から、日本の政治は、堕落し始めたと言っていい。表向きには、誰も反論できないのが拉致問題である。しかし、そこに危険な罠がある。


安倍政権も小泉政権同様に、拉致問題を巧妙に、且つ狡猾に、政権運営に政治利用してきた。櫻井よしこネット右翼にとっては、あるいは安倍政権にとっては、おそらく、憲法改正集団的自衛権問題も沖縄米軍基地問題も、「北朝鮮脅威論」や「中国脅威論」と直結している。


北朝鮮脅威論」や「中国脅威論」を煽ることで、国内の政治問題を隠蔽しようとしている。その騒動に隠れた形で、様々な政策や政治課題が、「粛々と・・・」、閣議決定や国会議決で、推し進められていく。郵政民営化、沖縄米軍基地問題、TPP、秘密保護法、集団的自衛権、農協改革、憲法改正・・・。


つまり、「北朝鮮脅威論」や「中国脅威論」が大きな目隠しとなって、政権は安泰となる。言い換えれば、「北朝鮮脅威論」や「中国脅威論」は、政権運営の便利な小道具となっている。そこでは、「国民総動員体制国家」と、それに反逆する「非国民」の二分化が起こる。もちろん、「非国民」は、バッシングの標的になり、社会的に排除され、抹殺される。


(続く)


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