文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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著作権や知的所有権が日本文化を殺す。

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最近、科学研究の分野だけではなく、漫画やアニメなど、大衆文化の領域でさえ著作権知的所有権などがうるさく主張されているらしい。世も末である。


聞くところによると、たとえば、漫画『ドラえもん』など、著作権や映像権などに、ヴィトン、ランセルバーバリー並みにに、うるさいらしい。見張り番までいるらしい。金銭欲に眼が眩んでいるとしか見えない。


ドラえもん』も、著作権知的所有権などに拘っているようでは、子供たちの「こずかい」を、陰湿に、吸い上げようとしているわけで、大衆娯楽文化として、終りである。そもそも漫画『ドラえもん』にしても、厳密に言えば、『まるでダメお』のパクリだろう。著作権代を払っているのか?


著作権知的所有権と言うと、一見、まともな主張のように見える。だが、そうだろうか?著作権知的所有権など、近代資本主義社会の病理であって、昔から、世界中何処でも、あったわけではない。さらに、ネット時代になって、極めて曖昧複雑な概念になっているのではないだろうか?


ガラスの仮面』などの漫画で知られる(註<訂正>ーと言うのは間違いでしたー「風と木の詩」<「ガラスの仮面」は美内すずえ>)、竹宮恵子さんが、面白いことを言っているらしい。日本で漫画文化が発展したのは、著作権知的所有権のようなものが、うるさく主張されことがなく、共有財産として、後に続くものに、自由に解放されていたからではないのか?と。卓見である。


もう一度言うが、著作権知的所有権など、近代資本主義社会の病理である。別に普遍的原理・原則ではない。アラビア文明や中国文明が、著作権知的所有権を主張しただろうか。発明・発見は、人類共通の財産であって、個人や特定の団体が独占できるものではない。近代欧米資本主義特有の植民地主義政策の一種であろう。


文字の発明にしろ、数字やアルファベットにしろ、武田教授の言う「公知」である。たとえば、「漢字」に、著作権知的所有権があるだろうか?「遠近法」の画法に、著作権知的所有権があるだろうか?


ips細胞やSTAP細胞の研究開発も、しきりに人類の「役に立つ」「病気の人を助ける」・・・研究だと言いながら、一部に、莫大な利益を狙っている人たちがいるから、おかしなことになっているのである。


まさに、金銭欲にまみれた人間の欲望の修羅場である。柄谷行人が、『世界史の構造』や『哲学の起源』『帝国の構造』などでいうところの「交換様式C」=「商品交換」の世界である。
(続く)



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(読者から)


本日の毒蛇日記も大変興味深く拝読いたしました。

本筋に影響はないんですが、竹宮恵子さんの代表作は「風と木の詩」です。(「ガラスの仮面」は美内すずえさんの代表作)

わたしは少女漫画黄金期に少女時代を過ごしまして、
竹宮さんの大大大ファンなのです。
風と木の詩」は少年同士の純愛を描いた感動作で、そこには児童虐待、近親相姦、学校でのいじめ、裏切りなど、壮絶なテーマが含まれています。少女たちが実際にあるいは心理的に体験しているすべてがもりこまれている作品、と故河合隼雄氏は絶賛していました。またこの作品の文庫本(白泉社)第一巻の解説が故寺山修司氏で、当時毎週連載の少女コミックが店頭に並ぶ時間を待ちわびていたとあります。

ちなみに竹宮恵子さんと同時代に活躍した萩尾望都さん、大島弓子さん、山岸凉子さんたちは「花の24年組」と呼ばれ、とても尊敬されています。SF、歴史、ファンタジーと扱うジャンルも多彩で、少年漫画より内容が深く哲学的だ!と子どもの私はとても感動して読んでいました。先生方のおかげで、私は同性愛にまったく違和感を持たず育ちました。

著作権とはまったく関係のない話で先生のお時間とらせてしまい、ごめんなさい。。。  これからもご活躍お祈りしています。

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現代日本の論壇や科学ジャーナリズム、アカデミズム・・・を地盤沈下させた「思想的劣化」は、どのようにして起きたのか?拙著『保守論壇亡国論』は、保守論壇だけではなく、左翼論壇、アカデミズム、ジャーナリズム、科学ジャーナリズム・・・を含めて、現代日本人の「思想的劣化」の根源的問題を、哲学的に解明しています。御一読ください。





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