文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

メルマガ「週刊=山崎行太郎の毒蛇通信」を配信しました。「秋山駿論ーー石の哲学」「小保方晴子事件と現代思想」などを載せています。ウクライナの旅客機撃墜事件やイスラエルのガザ侵攻事件などを見ていると、「解決不可能な問題」に直面していると言うことが分かり、簡単な解答が用意されたイデオロギー的思考、つまり「弱者の正義」「正義の言論」的思考が、無効であることを知る。今こそ「存在論的思考」の必要性を強く実感する。秋山駿こそ「存在論的思考」の実践者だった。

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  秋山駿について書いたことはない。この原稿依頼を契機に、私の内部に眠っている「爆弾」のような秋山駿の「石」について書いてみたいと思った。
  秋山駿に、『考える兇器』というタイトルの作品がある。秋山駿は、まさしく考える兇器だった。そこに秋山駿の「恐ろしさ」と「魅力」があった。ドストエフスキーニヒリズムや革命、犯罪・・・、などというような反社会的問題について、熱く語る人たちは多い。しかし、ひとたび、身近な社会問題や家庭の問題になると、実に凡庸、人畜無害、小市民的、健全な・・・発言しかできないという例を、うんざりするほど見せられてきた。なんだ、ドストエフスキーニヒリズムも革命、犯罪・・・も、ウソツパチじゅないか、と思ったものだ。社会的な言葉ではなく、もっと根底的な言葉を・・・聞きたいものだ、と。すると、そこに秋山駿がいた。秋山駿の文章があった。それが、秋山駿のノートだった。


   私も人並みに、高校生時代にドストエフスキーを、かなり熱心に読んだ。中でも、『地下生活者の手記』や『罪と罰』などを夢中になって読みふけった。私は、それまで読書嫌いだつたから、ドストエフスキーどころか、まともに小説の類を読んだことすらなかった。ところが、柳田国男系列の「民俗学者」でもあった小野重朗という生物の先生から、開高健大江健三郎の小説を教えて貰ったのをきっかけに、特に大江健三郎の小説に夢中になり、現代小説を読み始めた。ドストエフスキーもその過程で読み始めたのである。
   私は、大江健三郎ドストエフスキーを読むことによって、何か分からないが、自分の中で大きな変化が起きていたことを感じた。つまり、それまで、社会や生活の中で重要と思われるようなことが、すべて無意味で、どうでもいいことのように見えてきたのである。たとえば、大学進学を目前に受験勉強をしていたが、受験勉強がばかばかしいものに見えてきたのである。大学進学や将来の生活設計などを考えることが、何か不純なことに思えてきた。この、突然の「変化」が、何なのか、当時の私にはよくわからなかった。
   たとえば、ドストエフスキーを読むうちに、私は『白痴』も手に取り、読んだ。『白痴』は、ムイシュキン侯爵を主人公とする小説だが、読み進むうちに、イッポリートという青年が登場し、「わが必要なる告白」という文章を読み上げる場面があり、当時の私は、激しく引きつけられた。
   秋山駿を知ったのは、それから二、三年後だが、私はびっくりした。秋山駿が、イッポリートを取り上げ、『イッポリートの告白』という文章を、しかも、それだけを執拗に書いていたからだ。その『イッポリートの告白』を中心に纏められた一冊の本が、『内部の人間』であった。(以下略)


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曽野綾子の『ある神話の背景』は、全面的に、赤松部隊の制作した「陣中日誌」に依存している。だが、この「陣中日誌」は1970年に赤松部隊隊員=谷本小次郎によって全面的に書き換えられた、歴史的資料価値ゼロの「改竄=捏造文書」であった。
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■『曽野綾子大批判』を読んだら、保守論壇の「思想的劣化」の実相を深層分析した『保守論壇亡国論』も。
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