文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「高学歴プアーの時代」の科学と哲学と文学。浅田彰=東浩紀的「学歴自慢主義文化人」の時代の終焉。参考までに。僕が、今、深く尊敬=敬服している思想家、学者は、佐藤優(同志社大学神学部卒、作家)、清水正(日大芸術学部卒、日芸教授、ドストエフスキー研究)、柄谷行人(東大卒 、文芸評論家、哲学者)などです。東大=京大博士は、一人もいない。気の毒だが東大=京大博士は・・・?

人気ブログランキングへ


先日、早稲田大学調査委の発表を受ける形で、東浩紀の「ゲンロンカフェ」とかいうところで、八代嘉美や関 由行というような、いわゆる「小保方事件」に、事件発生当初から、批判的コメントを寄せている専門家たちを交えて討論が行われたらしい 。東浩紀は、小保方晴子博士の記者会見直後、この問題は、「女の涙の問題」であると言ったひとである。いずれにしろ、小保方晴子博士や早稲田大学調査委の報告にたいして批判的であっただろうことは、間違いない。


80年代(1980)ごろから、保守論壇の隆盛と形骸化、つまり保守思想の堕落が始まる、と僕は、『保守論壇亡国論』で分析しておいたが、実は、左翼リベラル論壇の堕落も、この頃から、同時進行的に起こっていたのである。ニューアカとかポストモダンとか言われた現代思想ブームが起きた時代である。この頃から、日本の思想的堕落が始まり、現在に至っている。


つまり、左翼リベラル論壇で、「政治」や「革命」「国家」というような大きな物語に関わる言論が衰退し、「趣味」や「娯楽」レベルの小さな物語が、論壇を席巻して行く。左翼リベラル論壇は、保守論壇の隆盛を横目に 、なす術もなく、矮小化された内輪の議論を繰り返してきたというわけである。そういう左翼リベラル論壇の中心人物の一人が浅田彰であり、東浩紀だったと言っていい。


東浩紀が、小保方事件に際して、科学者たちが、小保方晴子博士の引用や画像処理の問題だけを取り上げて大騒ぎし、STAP細胞そのものの存在可能性を問題化しないのと同じく、「女の涙の問題」と言ったのは、象徴的である。小保方事件を捏造事件や女の涙事件としてしか理解しない学者、思想家、文化人たち。これこそ、まさしく左翼リベラル論壇の衰退と堕落、劣化を象徴している。


小保方晴子博士事件は、この左翼リベラル論壇の「思想的堕落」を白日の下に晒す事件であった。何故、一人の若い女性科学者の不祥事という話題に、多くの科学者や文化人、ジャーナリストが、そしてマスコミ全体が、人権侵害や名誉毀損など忘れたかのように、つまり狂ったかのように、熱中したのか?死体に群がるハイエナのような一群の文化人たちの姿こそ、現代日本の思想状況そのものである。


小保方事件が間接的に暴露したのは、日本社会に深く浸透し、沈殿し、慢性化している「学歴病症候群」という病であろう 。特に、東大卒や京大卒の「負け組」「落ちこぼれ」ともいうべき学歴社会の被害者たちの存在に光を当てたことは、小保方事件の最大の功績だろう。



狂ったような「小保方晴子バッシング」を中心的に主導したのは、東大=京大教授たち(rロバートゲラー、佐倉統、伊東乾***)、卒業生、学生、あるいは東大=京大系の文化人たち(東浩紀など・・・)だったことは強調していい。小保方晴子博士が、早稲田大学理工学部卒の博士でなかったら・・・。当然、事件は別の展開をしていただろう。


小保方晴子バッシング」に狂奔した東大=京大教授たちの深層心理に、「30そこそこの小娘が・・・」という女性差別の病理と同時に、「早稲田大学卒の私学博士が・・・」という学歴差別の病理が潜んでいなかったとは言えないだろう。


彼らは、共同研究者の若山照彦笹井芳樹の「責任」には、ほとんど言及しないし、若山照彦ごときは、「マウスすり替え疑惑デッチアゲ」など、数々の疑惑が持ち上がったにもかかわらず、まったく関心を示さない。小保方晴子博士を「犯罪者」扱いし、呼び捨てにしているのに対し、若山照彦笹井芳樹にたいしては、未だに、「若山照彦先生」「笹井芳樹先生」と呼んでいることが、それを典型的に示している。

(続く)


人気ブログランキングへ



■「日刊ゲンダイ」の記事から。独断と偏見に満ち満ちた小保方晴子博士バッシング記事。小保方晴子博士を、捏造犯、詐欺師と決め込んでいる記事だ。まるで中世の魔女刈り。







曽野綾子の『ある神話の背景』は、全面的に、赤松部隊の制作した「陣中日誌」に依存している。だが、この「陣中日誌」は1970年に赤松部隊隊員=谷本小次郎によって全面的に書き換えられた、歴史的資料価値ゼロの「改竄=捏造文書」であった。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906674577?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links









■『曽野綾子大批判』を読んだら、保守論壇の「思想的劣化」の実相を深層分析した『保守論壇亡国論』も。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906674526?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links




人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ (続きは、『思想家・山崎行太郎のすべて』が分かる!!!有料メールマガジン『週刊・山崎行太郎』(月500円)でお読みください。登録はコチラから→http://www.mag2.com/m/0001151310.html