文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

三菱重工ビル爆破事件と袴田事件と小保方博士事件。・・・一昨夜は三菱重工ビル爆破事件の記録映画のようなものをチラチラ見ながら仕事をしていた。「大地の牙」「蠍」・・・。大道寺将司、あや子、佐々木規夫・・・。みんな懐かしい名前だ。同世代で、思想的には対極の位置にいたが、彼等の死を賭した行動に興奮し、手当たり次第、資料をあさり読みしたものだったことを、思い出した。そして昨日、袴田死刑囚の釈放である。

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袴田死刑囚が、48年ぶりに釈放されたが、その釈放、出所の様子をある電気販売店のテレビで見て、思わず釘付けになった。国家権力というものの恐ろしさを改めて噛み締めた。48年。気の遠くなるような年月である。国家権力を否定するつもりはないが、そのあまりの不条理性に慄然とする。


本人はもちろんだが、お姉さんや支援者たちの長年の努力には頭が下がる。しかし、一方で、あたかも、再審決定、釈放のニュースを、袴田死刑囚の支援者、応援団だったかのように楽しそうに語り、何の反省もなく報道するマスコミに無性に腹が立つ。


おそらくマスコミは、警察、検察、裁判官以上に、激しいバッシングを、袴田死刑囚に浴びせたはずである。その激しい集団的バッシングが、死刑判決に影響を与えなかったとは言えないだろう。僕は、現在、行われている「小保方博士バッシング」を連想した。同じだろうと思った。


さて、三菱重工ビル爆破事件である。僕は、犯人たちと同世代である。僕は、当時から保守派を自称していたから、あの時代に、左翼からは、思想的に何の影響も受けていない。左翼系の反権力だの反体制だのという思想に、無関心だった。だからデモや集会にもほとんど行ったこともない。家の中で、本ばかり読んでいた。小林秀雄江藤淳ドストエフスキー、ウイットゲンシュタイン、ハイデガールドルフ・カルナップ・・・などの前では、左翼思想など、すべてが色褪せて見えた。「馬鹿は死ね!!!」と思っていた。


しかし、思想的には無縁だったが、むしろ馬鹿にしていたのだが、彼等の過激な行動そのものには、僕は無関心ではなかった。三島由紀夫事件以来、左翼過激派だけではなく平凡な学生や市民までが、「我々の陣営にも第二、第三の三島由紀夫を!!!」(滝田修)と叫びつつ、さらに過激化し、ハイジャックや爆弾闘争、テルアビブ・ロッド空港銃乱射事件・・・というテロ活動に手を染め、活動家たちが、次々と逮捕されて行く。


たとえば、ブントから共産同赤軍派を独立させた、そのリーダーであり、北朝鮮を目指してのハイジャック闘争を計画立案し、その決行の直前に逮捕された塩見孝也。ハイジャック闘争も連合赤軍事件も、塩見の後継者たちが引き起こした事件である。そして獄中で40年以上を過ごした塩見孝也。僕は、その塩見孝也に深い関心と興味を持っていた。その後、時代は変わり、僕は、あの塩見孝也と、ある雑誌で、対談することななった。塩見孝也に会ってみたかったのだ。予想通り、恐るべき人物だった。


僕は、単純素朴な保守派や保守思想家ではない。存在論的レベルでは、左翼過激派の思想、学問、言動に、深く共感するところがあるからである。だから 、僕は、人畜無害で、健全な一般左翼は軽蔑していたが、命を賭けて、過激な行動に手を染める左t翼には、深い畏敬の念を持っていた。大道寺将司や佐々木規夫・・・らを、「馬鹿な奴だな」と思ったことも、軽蔑したことも一度もない。何処かで、彼等を尊敬している自分がいる。


三田誠広という作家に「愛の行方」という小説がある。ある青年作家が、大学主催の文学賞のパーティーに出かけるために、高田馬場で、バスに乗ろうとしている。と、そこで一人の老女が目に入る。老女は署名活動か何かをしている。死刑判決を受けた息子の助命嘆願の署名活動をしているのだ。そこには「ある作家」も知っている人物の顔が見える。作家は、バスに乗って、そこを立ち去る。だが、賑やかなパーティーの会場でも、その老女の顔が頭に焼き付いて離れない。もしも、あの息子が自分であり、あの老女が、自分の母親だったら・・・。


学問や思想、文学・・・は、彼等の精神と共にあるように思えてならない。マスコミや東大教授によって成り立つ健全な市民社会の側にあるようには見えない。「東大博士論文→大学や研究機関へ就職ー定年→定年後の幸せな老後→文化勲章・・・」。


東浩紀が、小保方博士事件を、詐欺・捏造事件事件と見做し、こういう詐欺・捏造を防ぐためにはどうすればいいか・・・、というような議論を展開している。東浩紀も、人畜無害な、健全な東大博士でしかないと思った。

(続く)
★某雑誌の企画で、塩見孝也氏と対談した時。


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小林リズムさんの本が出ます。4月4日か5日ぐらいには書店の店頭に並ぶようです。詳しくは、小林リズムさんが、エッセイを連載している以下の「清水正ブログ」をご覧ください。

参照1ーー清水正・ブログーhttp://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi

参照2ーー小林リズム・ブログーーhttp://ameblo.jp/nanto-kana/


日大芸術学部で、特別講師として教壇に立った日の小林リズムさん。




昨年、日大芸術学部を卒業し、エッセイを、日芸の「清水正教授ブログ」に、ほぼ毎日、書き続けてきた「小林リズム」さんが、四月五日に、就活をテーマに、本を出すそうです。就活中の学生の皆さん、是非、お買い求めの上、熟読ください。タイトルは、コレ。


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『どこにでもいる普通の女子大生が、新卒入社した会社で地獄を見て、たった八日で辞めた話』
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★ 写真は、小林リズムさんと、ゼミの先生だった山下聖美=日大芸術学部=准教授。





★ 昨年、 講談社主催の「missアイドル・コンテスト」の最終候補に選ばれた小林リズムさん。






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