文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

室谷克実の『呆韓論』を読みながら、日本人の「思想的劣化」と「一億総ネット右翼化」を憂う。ー「反韓論ブーム」を『保守論壇亡国論』で読み解く。

dokuhebiniki2014-02-26



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週刊東洋経済」の原稿依頼を切っ掛けに、「反韓論ブーム」とそのブームを先導する本や執筆者たちに興味を持ちはじめた。読んで見て、日本人は、今や、ここまで思想的にr堕落しているのかと、唖然としないわけにはいかなかった。


たとえば、室谷克実の『呆韓論』。韓国や韓国人を激しく批判しているのだが、その批判の仕方が、思想的に、実に幼稚・稚拙で、これが 、「元時事通信記者」「元韓国特派」だというのだから、まさしく「呆れる」。日本の新聞記者って、いつから、こんなに痴呆的になってしまったのだろうか。それとも、室谷個人の思想的痴呆化の問題なのか。


たとえば、室谷は、韓国社会における「安重根」の思想的位置が理解できないらしい。「伊藤博文暗殺犯」としての「安重根」を、韓国人がどう評価するか、に想像が及ばないらしい。多くの日本人にとっては、「安重根」は、単なる「テロリスト」にすぎないかもしれない。これが、韓国社会でもそうであるはずだ、と考えることが、いかにも痴呆的である。


室谷は、「卑怯者が歴史的英雄という哀れ」と書いている 。この文章をどう解釈すべきだろうか。室谷のあまりの馬鹿っぷりを笑うべきだろうか。それとも何か、裏に仕掛けがあるのだろうか。よく読み進めて行くと、何も裏の仕掛けなどないことが分かる。単純に室谷がバカなのだ。


室谷は、こう書く。《安重根伊藤博文を暗殺した犯人、すなわちテロリストだ。・・・・・そうした人物、すなわちテロロストの似顔を描いた巨大な垂れ幕をサポーター席に掲げたことの方が、・・・・よほど下劣な行為だ。》(『呆韓論』97ページ)


この後、 亀甲船で豊臣軍を苦しめた国民的英雄.・李舜臣の名を挙げて、室谷は書く。《隣国との戦争・抗争の歴史的英雄といったら、そんな人物しかいないとは、なんと哀れな国なのか。》


おいおい、哀れなのは、隣国のテロリストと国民的な英雄の区別もできないオマエだろう、とマトモな日本人なら言うだろう。日本人にとってはテロリストかもしれないが、そういう人物は、見方を変えれば、国民的英雄にもなるだろう。当然のことだろう。室谷は、冗談を言っているのか、それとも、「大真面目に・・・」、こんなことを言っているのか。哀れな日本人がここにいる。それにしても、こんな本を、出版する産経新聞も、落ちたものだ。かつて、僕も、産経新聞の「斜断機」とかいう欄に、コラムを連載していたこともあるが・・・。


(続く)


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週刊東洋経済」に、「反韓論ブームを斬る」を寄稿しました。2/24発売。124ページ。「「反韓」「嫌韓」論はなぜ蔓延するのか」。「思想的衰退が短絡さ招く」・・・。


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