文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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ウクライナのクーデターとプーチンのリアリズム外交戦略。

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ソチ・オリンピックは、心配されていたテロ騒動もなく、どうやら無事、終わりそうで、プーチン露大統領のメンツも立ち、胸を撫で下ろしているところだろうが、しかし、ソチの近くのウクライナでは、民衆のデモ騒動が過激化し、とうとうヤヌコビッチ大統領がキエフから追放され、まさしく「クーデター」が成功したようである。おそらくプーチンは、このウクライナ騒動を苦々しく見ていたはずである。国際社会がソチオリンピックに釘付けになっている時だっただけに、プーチンも、公然と介入することが出来なかったと言っていい。つまり、オリンピックの成功と引き換えにウクライナを失ってしまった・・・ということかもしれない。


ウクライナ事件とは何か。何故、過激なデモが、ついに大統領の追放というところにまで至ったのか。親欧派の前大統領(ティモシェンコ)や民衆と、ロシアに接近しつつある親露派のヤヌコビッチ大統領の対立・抗争が原因である。民衆は、今までのロシアとの関係を清算し、欧州連合側に接近したがっているのである。そこに、ヤヌコビッチ大統領が民衆デモによって追放された真の原因がある。ヤヌコビッチ自身の本心は、おそらく民衆側の思考とさして違ってはいなかったはずである。ヤヌコビッチや公安警察が、最終的に、全面的な武力行使はせず、民衆デモを許した背景には、そういう理由があったはずである。むろん、帝国ロシアの復活を目指すプーチンは、これを、苦々しく見ていたはずである。


むろん、民衆デモの背後には、欧米勢力を初めとして、さまざまな反ロシア勢力がうごめているはずだ。だから、民衆デモを単純に美化して、論じることはできない。


いずれにしろ、プーチンが、このまま黙って、ウクライナの「欧米化」の動きを見逃すとも思えない。オリンピックも終わった今、プーチンから目が離せない。


(続く)



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