文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

曾野綾子とネット右翼と「新しい歴史教科書をつくる会・・」。ー「曾野綾子研究13」ー。彼らは、歴史教科書論争において、共産党的な「裁判闘争」を運動の中心に置いた時点で終わった。さらに、市民運動だから仕方がないが、「定年退職老人」と「ネット右翼」が中心勢力になった時点で終わった、と言っていい。

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「沖縄集団自決論争」を「裁判闘争」にしたのは、彼ら「歴史教科書一派」であり、彼らが背後で動いたから、それなりに大きな運動になったのだろう。裁判の主体は原告の元軍人・梅澤裕と赤松嘉次(の弟)ではない。梅澤と赤松は大江健三郎の『沖縄ノート』も読まないままに、大江健三郎と版元の岩波書店を訴えている。気違い沙汰としかいいよがない。そもそも曾野綾子自身が、大江健三郎の『沖縄ノート』をまともに読んでいない。曽野綾子は、『ある神話の背景』連載中は、大江健三郎の『沖縄ノート』へ言及していない。大江健三郎の『沖縄ノート』への言及は、書籍化する時に、本文の中にこっそりと書きくわえたものだ。曽野綾子が、 「集団自決」の取材中、大江健三郎の『沖縄ノート』にそれほど深い関心を持っていなかったことは明らかだ。本も読まないで騒ぎに便乗する渡部昇一など、他の保守論客はおして知るべし。「沖縄集団自決」と「軍命令」を最初に書いたのは、沖縄の太田良博が書いた「鉄の暴風」である。曾野綾子が、批判・論破したというのは、大江健三郎の『沖縄ノート』ではなく、太田良博の『鉄の暴風』である。それが、何故、裁判の被告が、太田良博の『鉄の暴風』ではなく、大江健三郎岩波書店になったのか。言うまでもなく、その動機には不純なものがある。大江健三郎というノーベル賞作家と岩波書店の「知名度」に便乗した裁判だったということだ。返り討ちを浴び、藪蛇になるのも当然だった、と言わなければならない。
保守派が、思想的言論闘争を止めて、「裁判」や「デモ」「集会」を繰り返すようになったのは、いつからだろうか。実は、私は、その頃から、保守論壇や保守思想、保守思想家などに興味をうしなった。明らかに、保守論壇の劣化、保守思想の荒廃、保守思想家の地盤沈下が顕著になったのも、その頃だった。そして、この保守陣営側からの「裁判闘争」の中心になっていたのは、「新しい歴史教科書をつくる会」を中心とする保守系市民運動グループだった。裁判で、裁判官に、自分たちの思想信条や主義主張を認めてもらおうという発想が、私には理解できなかった。裁判官に「歴史」や「思想」の審判をしもらうという発想こそ市民運動的である。しかも、それらの裁判の結果は、連戦連敗だったはずである。今頃になって裁判批判や裁判官批判をやっても遅い。裁判官に歴史の真実など分かるわけがないのだ。初めから分かっていることだ。「裁判闘争」と連動して、あれほど威勢よく特集を組み、「大江健三郎バッシング」「沖縄バッシング」を繰り返していた「will」や「正論」、その他の保守系メディアは、裁判敗北後は、ほぼ沈黙したままである。あまりにも馬鹿すぎて闘えないのだ。大江健三郎と闘うには「作品」で勝負するしかない。「作品」等とは無縁な、有象無象の怪しいライター達を何人掻き集めようと無駄である。馬鹿を曝け出すだけだということが分かったのだろうか。
「うらぞえ文藝」とかいう雑誌が沖縄にある。細々と「赤松部隊擁護」「沖縄集団自決に軍命令はなかった」の論陣を張っている珍しい雑誌だ。この雑誌の常連が、星雅彦と上原正稔という人である。その上原某と言う人が、「赤松嘉次」の人間性を絶賛し、集団自決の「軍命令」などを出すはずがない、「赤松氏は立派な軍人でした」とか言っているのだが、ついでに、名指しはしていないが、「大江健三郎ノーベル賞作家である、とか大江健三郎を若い時から愛読し、尊敬していた、と書く人がいるが・・・」と、「私」(山崎行太郎)のことにも言及し、皮肉っている。おそらく、私が「琉球新報」に書いた「大江健三郎擁護論」のエッセイを斜め読みしたのだろう。(続く)


■あの「チャンネル桜」(笑)に出演中の星雅彦(右)と上原正稔(帽子)。






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