文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

国際的な情報戦と『保守論壇亡国論』。日本は、何故、情報戦に敗れたのか?原因は戦略や戦術の問題だけではない。思想戦の問題だ。三島由紀夫、小林秀雄、江藤淳、福田恒存らが次々と去る70-80年代前後から、日本の論壇やジャーナリズム、アカデミズムの「思想的弱体化=空洞化」は始まった。「第二の敗戦」である。「日本、情報戦に敗北す」(稲村公望)の根本原因はそこにある。

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月刊日本」10月号が届いた。稲村公望氏のインタビュー「日本、情報戦に敗北す」が掲載されている。面白い。最近の日本が国際的な情報戦に敗れ続けているという指摘だ。「東京裁判問題」「慰安婦問題」「尖閣諸島問題」「TPP問題」・・・。たとえば、アジアにおける地盤沈下も激しい。中国や韓国に追い抜かれている。ベトナム、台湾、インドネシアなどで、私も実感したことだが、これらの親日的な国でさえ、日本の存在感はますます薄くなりつつある。原因は何処にあるのか?バブル崩壊と経済的後退?おそらく、そうだろう 。しかし、それだけではない。根本原因は?日本の論壇やジャーナリズム、アカデミズムの「思想的弱体化」に根本原因があるのではないか。80年代前後、日本の論壇やジャーナリズム、アカデミズムの「思想的弱体化」=「思考の平板化」は始まった。「一億総保守化」「構造改革ブーム」「新自由主義」・・・は、日本の論壇やジャーナリズム、アカデミズムの「思想的弱体化=空洞化」の結果である。情報戦においてだけではなく、あらゆるジャンルで、「正しいこと」「真理」「正義」・・・を主張していればいいというわけではない。「従軍慰安婦問題」「尖閣諸島問題」「竹島問題」「北方領土問題」・・・。「正しいこと」「真理」「正義」・・・が一つだと思うところに大きな錯覚と無知がある。中途半端な、底の浅い「合理主義的思考」で、国際社会を説得しようとしても無駄だろう。国際社会に「唯一の真理」「唯一の正義」などは存在しない。当たり前であるが、こんなこともわからなくなってしまったのが現在の日本の言論空間(論壇、ジャーナリズム、アカデミズム)である。要するに、勧善懲悪的なメロドラマのレベルに、つまり「ネット右翼」的な思想レベルに落ち込んでいるのが日本の思想状況である。これでは、国際的な「情報戦に敗北す」るのも仕方が無い。私が、『保守論壇亡国論』で言いたかったことは、それだったのだが・・・。(続く)

9/26『保守論壇亡国論』出版記念イベント「山崎行太郎ー岩田温講演会」のお知らせ。出席希望者は「月刊日本」編集部(電話03-5211-0096)までご連絡ください。(会場ー池袋東口1分、ハロー会議室。会費\500。)


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