文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「面従腹背」の政治哲学ーー吉田茂論。

孫崎某のように、吉田茂という戦後日本の政治を主導した「大物政治家」を、米国占領軍への「親米従属路線派」「従米派」と単純化・平板化し、否定さるべき政治家と見做すことは、決していいことではない。それは、日本という国家の真の自立・独立のためにもよくない。「従米」か「反米」かーーと問うような、つまり、サルにも分かるような、単純素朴な、幼稚・稚拙な思考こそが、亡国に繋がるのだ。吉田茂は、毀誉褒貶はあるが、複雑な政治的思考ができる政治家だった。まさしく「面従腹背の政治哲学」を実践した、孤独な大政治家だった。
そもそも吉田茂を、「対米追随派」「従米派」的視点から批判したのは孫崎某だけではないし、また孫崎某が最初でも ない。たとえば江藤淳は、吉田茂の政治を「養子政治」と呼び、「吉田政治」を理想化し、規範化、偶像化しようとする風潮を厳しく批判している。つまり吉田茂こそ、戦後の日米関係の「ねじれ」の元凶である、と。その江藤淳さえ、孫崎某のように、「対米追随派」と「自主独立派」の二元論で日本の戦後史は解明できるなどとは言っていない。

(続く)


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