文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

ナショナリズムなき「ゼニカネ主義」が国を滅ぼす。

かつて戦後日本蔑視論として「エコノミックアニマル」という言葉があった。国家の威信も威厳もなく、「金儲け」に邁進する日本と日本人の「ゼニカネ主義」を批判・蔑視した言葉である。その後、つまり冷戦終焉後、左翼の衰退や保守主義ナショナリズムの台頭にともなって、日本も少しは変わったと思われていたが、残念ながら、今も変わっていないことが、今回の尖閣問題で明らかになった。台頭しつつあるナショナリズムを背景にした石原慎太郎東京都知事の「尖閣買い取り工作」は、中国政府の支援を受けた中国人活動家の尖閣上陸騒動によって、刺激された日本国民が総結集したと思われる新しいナショナリズムの高揚とともに次の段階を迎えつつあったが、残念ながら民主党の野田・仙石一派の策動によって、つまり「尖閣諸島国有化」によって、要するに民主党に巣食う「ゼニカネ主義」によって完全に封じ込められようとしている。これで、尖閣諸島地権者も、石原慎太郎と交渉している時はともかくとして、国士でもなんでもなく、単なる欲呆けの典型的な「ゼニカネ主義」の戦後日本人であったことが、暴露されたわけだが、地権者(埼玉県在住の栗原某)だけではなく、未だに日本政府関係者も「ゼニカネ主義者」であったことが明らかになった。さて、完全に「虚仮」にされたはずの石原慎太郎はどうするのか。僕は、これまで、頻繁に石原慎太郎の「怒り」と「ナショナリズム」を批判してきたが、完全に否定していたわけではない。石原慎太郎は政治家、あるいは政治的リーダーとしては無能だが、政治思想家としては、バカ息子・石原ノブテルへの「親バカぶり」を除くならば、それなりの才能と才覚を有していると評価してきた。そこで、今回、野田・仙石一派の策動による「尖閣諸島国有化」以後の石原慎太郎の「怒り」と「ナショナリズム」を期待したのだが、いつのまにかナショナリスト石原慎太郎も腰砕けになったようである。「上陸するから逮捕してみろ・・・」から「寄付金14億円は政府に上納する・・・」と。僕は、ここに、「大きな力」が働いたと思っている。石原慎太郎もこの「大きな力」の前では、沈黙せざるをえないのだろう。バカ息子・石原ノブテルの「自民党総裁」を目前に「裏取引」でもしたのだろうか。しかし、言うまでもなく、政治家や官僚、マスコミは、抑え込まれるだろうが、今回の尖閣竹島騒動を契機に台頭してきた普通の日本国民の「ナショナリズム」の心情と怒りを、「大きな力」であろうと「小さな力」であろうと、抑え込むことは誰にも出来ない。

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