文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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プラトンの「プロタゴラス」を読む

プラトンの対話篇では「 ソクラテスの弁明」が有名だが、「プロタゴラス」もまたプラトンの対話篇の一つである。最近、新訳が出たので、あらためて読んでみるこにした。この対話篇の構成は、当時、ギリシャ世界に君臨していたソフィストの長老・プロタゴラスと、まだ30代のソクラテスとが、「徳(アレテー)」をめぐって議論するというものだ。当時のギリシャペルシャ戦争に勝利したばかりで、国家としてまさに繁栄を謳歌していた。政治的には直接民主制が行われ、若者たちは弁論技術の向上に忙しかった。その頃、ギリシャの街に、当時の最高のソフィストプロタゴラスが来ていると聞いて 、ギリシャの若者たちは興奮していた。早速、ソクラテスは、青年とともにプロタゴラスのもとへ。ソフィストの思想に反対するソクラテスは、プロタゴラスを相手に論争うを挑む。「徳(アレテー)は教えられる」と説くプロタゴラスに対してソクラテスは、「徳は教えることは出来ない、徳は知識ではない」という立場から反論を試みる。無論、勝ち負けなどはそれほど重要ではない。問題の本質は延々と続く粘り強い議論の進め方にある。(続く)

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