文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

政治ジャーナリズムは、何故、「小沢疑惑」なるものの真相を伝えないのか?

普天間問題」で、テレビ・新聞を中心とする「マスコミ」は、つまり政治ジャーナリズムは、鳩山首相の「5月末までには決着・・・」という言葉への異常なこだわりを示して、5月末までに決着しない場合を想定して、鳩山首相の約束違反という責任の追及から、その責任を受けての鳩山辞任論まで言及し、大騒ぎしているようだが、しかし考えてみると不思議なことだが、鳩山首相が「県外・国外移設」を公言しているのに対し、マスコミ自身の「普天間問題」に対する考え方は、たとえば、「沖縄基地存続是認論」なのか、「県外海外移設論」なのか、はたしてそのどちらなのか、あるいはそれ以外の考え方なのか、ということは抑圧・隠蔽したまま決して自分達の立ち位置を公表しようとしない。むろん、公表すれば鳩山批判が後退し、鳩山批判のアラシは雲散霧消してしまうからだ。ここで、政治ジャーナリズム自身の問題が浮上することは必須である。僕が、マスコミや政治シャーナリズムを問題化し、政治評論家や政治ジャーナリストとともに批判しなければならないと考える理由である。マスコミは、マスコミ自身の方針を隠蔽したまま、ただひたすら鳩山政権批判に熱中している。むろん、批判するのは自由である。しかし、もし、マスコミも、沖縄に在日米軍基地の75パーセントが集中していることに疑問を感じ、沖縄住民の負担軽減のために沖縄米軍基地の「県外・海外移設」を望んでいるならば、鳩山首相と目指すところは同じなのだから、むしろ歓迎する立場のはずなのだが、しかし現実は、マスコミはちょっとした鳩山首相の言葉使いにこだわり、執拗に鳩山批判を繰り返している。また、鳩山首相の「県外め国外論」では、日本の安全保障が危機に陥るだけだから、軍事戦略の上から、沖縄米軍基地存続は「不可欠」であり「必要悪」であると考える自民党石破茂民主党の長島某ら、いわゆる「日米安保マフィア」のように「米軍基地存続論」であるのならば、今回、鳩山首相が「抑止力の観点から沖縄に米軍基地をお願いしたい」という発言は、批判すべことではなく歓迎すべきなのではないのか。ところが、マスコミは、鳩山首相が「国外・県外」を目指しても、「沖縄基地存続」を目指しても、激しく鳩山批判を繰り返すだけだ。要するに、マスコミは、鳩山政権批判と鳩山首相批判、そして民主党批判を繰り返したいだけなのである。そして、普天間基地問題にも米軍基地問題にもたいして関心はなく、マスコミの最終目的は「政権交代つぶし」なのだということが見えてくる。同じことが、小沢問題にも言えるように見える。マスコミは、あるいは政治ジャーナリズムは、小沢疑惑なるものの一端を匂わせるだけで、小沢疑惑なるものの真相を、知っているにもかかわらず伝えようとしていない。検察審査会なるものが「起訴相当」という判断を下したのは、いったい、小沢疑惑の何に対してなのか。ゼネコンからの四億円の闇献金疑惑に対してなのか。それとも、記載漏れ、あるいは記載時期のズレに対してなのか。まさか、「ゼネコンからの四億円の闇献金疑惑」を、市民感覚とか市民目線とかで判断して、「起訴相当」になったとでもいうのか。(続く)
 

■「思考する世論」氏からのコメント投稿を再録します。重要論文です。是非、ご一読ください。

思考する世論


『既存メディアが普天間問題の本質にある『沖縄への差別意識』については一切語らず、鳩山の『5月言質』に執着するのは心理学で言う防衛規制のようなもの。すり替え、転化でしょう。
長年、本土のマスコミが自民党や官僚と結託して沖縄を差別して来たことを認めるのが怖いのでしょう。今まで責任を取る言論をして来なかったからです。過ちを認めてやり直すという誠心がないからです。

マザー・テレサが人間の最大の罪は憎しみではなく『無関心』だとおっしゃっていますが、差別している方は無意識だから気づかない。それが今回の鳩山首相の努力で沖縄差別が可視化されてしまった。それをもう一度無意識へ抑圧して隠そうとする作業が『メディアの5月言質への執着』として現れているように見えます。まるでヒステリーのように。

「本土を守る抑止力のために捨て石となれ!沖縄に生まれたことを運が悪かったと諦めろ!沖縄人は二級の国民なんだから」という本土の官僚エリートの捨て石理論。大本営の上から目線。乱暴な図上演習。沖縄人はモノとして使い捨ての商品にされる。戦争中も今も同じ役割を背負わせているのです。『平成の琉球処分』として反復している。

そして差別の是正はお金で穴埋めされてきました。ところが沖縄の所得は全国平均の七割です。穴埋めにしては安すぎる資本投下です。そして既に『基地経済』の依存度も5%まで落ちています。ならば沖縄が本土の政府とアメリカ政府に依存する必然性も弱くなる。

そのうえ、本土のマスコミと官僚エリートは沖縄の歴史を学ぼうともせず、沖縄県民の痛みや悲しさを理解する努力もしない。そして本土の国民に操作された情報を流して沖縄への差別を「しかたないのだ。宿命なのだ」と正当化してきました。

その事実を普天間問題で意図的に『ゆらぎ』を与えて可視化したのが鳩山さんでした。官僚と一体化したマスコミにとっては鳩山が憎いのでしょう。長年隠蔽操作して来た差別構造と利権構造をセットで国民に気づかせてしまうのですから。だから鳩山さんの『ゆらぎ』をブレとかルーピーとか揶揄する。人格の印象を反転させようと必死に鳩山バッシングをしているのでしょう。

鳩山さんは頭が良いので、自民党・官僚・マスコミが55年間に渡って国民にかけ続けた催眠術(洗脳)を解くには『ゆらぎ』(今までタブーだったことに光を当てること)で既存のドクマを揺さぶり、思考の前提になっているドクマを相対化して国民に考えさせる秘技を使いました。政権交代を機に。それが今の普天間のドタバタ劇場です。

マスコミはバッシングすることで鳩山さんを官僚主導に引き戻しているつもりなのですが、実は鳩山さんの手のひらの上で踊っているだけのように見えます。マスコミを使った官僚の謀略も鳩山さんはちゃんと『関数』に組み込んでオペレーションズリサーチ(国家体制の立て直し)をしてしまう人なのです。鳩山さんは本当におっかない人だと思います。

ソクラテスなら今起きている平成維新を『産みの苦しみ』という弁証法で説明してくれるでしょうが、機密費を貰っていた政治評論家やジャーナリストは教えてくれません。何故なら後ろめたさのコンプレックスは思考を停止させてしまうからです。

ならば機密費をもらった評論家やジャーナリストの思考を動かしてあげるにはどうすればよいのでしょう。その答えを鳩山さんは知っていると思います。知っていて今は使わない。そこが鳩山さんのおっかないところなのです。』(2010/05/16 22:50)


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