文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

本日の「琉球新報」に拙稿『普天間問題・再考』が掲載されます。

百家争鳴で混迷を深める普天間問題だが、私の考えでは、沖縄県民の大衆蜂起、つまり県民の抗議行動にすべてはかかっていると思われる。鳩山首相は初め、日本政府の担当大臣やその他の政治家達の力は重要だが、しかし彼等の政治力を当てにしていては問題は決して解決しない。アメリカ政府が、住民の反対のあるところには移設しない、と言っている以上、最大の力は住民の意思と住民の烈しい抗議行動にかかっている。沖縄県民が革命的な暴動を引き起こすぐらいの覚悟で臨まない限り、普天間基地を初めとする沖縄米軍基地の全面的な海外移設は実現しない。鳩山首相が、どれだけ、「沖縄のこころ」を理解して、熱心に海外移設を切望していようとも、政府間交渉だけでは、今回の鳩山首相のように、逆に説得、あるいは脅迫され、結局、腰砕けに終わのが落ちであり、逆に「抑止力の観点から・・・」とかいうような、様々な理由をくっつけて「米軍基地存続」へと方向転換するしかない。鳩山首相の現在までの対米交渉の進め方が正しかった、正しくなかったかと言えば、僕は否定的で批判的だが、たとえ鳩山首相の対米交渉の進め方が正しかったとしても、あるいは沖縄県民への「土下座謝罪発言」には鳩山首相の深慮遠謀に基づく「演技説」もあるが、いずれにしろ僕は、鳩山首相の交渉力という個人的な熱意や行動に期待しているかぎり、今回の沖縄県民への「基地存続のお願い」のような結論以上を望むことは、初めから不可能だと思う。最後は沖縄県民の意志と行動である。鳩山首相も、最終的にはそれを期待しているのかもしれないが、おそらくアメリカ政府も、沖縄県民の意思と行動を注視しているはずである。鳩山首相やその他の関係閣僚を説得したり、様々なルートを通じて脅迫したりして、つまり東京周辺に陣取っている「ジャパンハンドラーズ」を総動員して、日本政府を「米軍基地存続」へと向かわせることはアメリカ政府にとって容易ではあろうが、しかしアメリカ政府や米軍関係者といえども、沖縄県民を説得することも脅迫することもできない。今、フィリピンでは大統領選挙が行われているようだが、かつてマルコス大統領が、民衆の蜂起によって、マラカニアン宮殿から追い出されていった時の映像が目に浮かぶ。





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