文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「小沢潰し」と「朝青龍潰し」の共通性と差異性

「小沢問題」が一段落したと思ったら、小沢批判の急先鋒だった枝野幸男議員の「行革刷新大臣」の就任が発表され、ちょっと驚いているところだが、先日の鳩山・小沢会談で、小沢氏の了解はあったとはいいながらも、この人事が鳩山政権の「小沢離れ」を画策したものであることは明らかであって、小沢氏の反対を押し切る形で強引に押し込んだ「藤井財務大臣」同様に、これから、何かと火種になるかもしれないが、しかしこの人事を小沢氏があっさりと受け入れたのは、この人事騒動で、不起訴決定後も燻り続ける小沢事件の余波の消滅をねらったからからだろうと思う。そこに小沢一郎という政治家が秘めている柔軟な政治戦略の一端が垣間見えることは、長い間の野党暮らしや田舎回りに悲観することも自棄になることもなく、また絶望することもなく、むしろ、政権交代、政権奪取という大きな目標に向かって着々と実力を蓄えてきた小沢一郎の政治経歴を振り返ってみるまでもなく、明らかであろう。豪腕という言葉から「押す」だけの政治家と見られがちだが、意外や意外、小沢一郎という政治家は「押す」だけではなく、「退く」ことも、「待つ」という迂回戦略をとることも出来る柔軟で、複雑な政治家なのだ。そこが、おそらく田中角栄と違うところだろう。たとえば、昨年末の「藤井財務大臣辞任劇」は、明らかに小沢氏による巧妙な政治戦略に基づく「藤井追放劇」であって、これは、一度は、鳩山首相の必死の「懇願」を受け入れる形で、つまり「退く」形で「藤井財務大臣」を了承したとはいえ、目標を忘れたわけでも、目標を諦めたわけでもなく、目標達成にとって邪魔な存在ならば、じつくりと時間をかけけて、迂回作戦を取りながら、誰でもが納得する形で追放・排除していくという小沢一郎らしい政治戦略なのだ。鳩山主導の「枝野行革刷新大臣就任」をとらえて、鳩山周辺には、「小沢離れ」や「鳩山自立」を言いたい者もいるようだが、そういいたい気持ちはわからなくもないが、おそらくそれが、「小沢抜きの鳩山政権」を目指すことを意図するというのであれば、その時は、鳩山政権はたちまち瓦解することになるだろう。鳩山首相が、事前に根回しして、小沢幹事長に相談して了解を取ったところから見ても、鳩山首相自身には、「小沢離れ」の政治的意図はあるまい。ところで、今日、日本相撲協会では、朝青龍引退にともなう「功労金」の話し合いが行なわれ、25回の優勝にも関わらず、23回優勝の貴乃花の1億3000万を下回る1億2000万で決着したそうであるが、明らかに、これは、日本人横綱貴乃花の最高金額を超えないように操作し、「減額」したわけで、僕は、この話を聞いて、最近の日本人がいかに「みみっちく」、且つ「品性下劣」になっているかを強く感じないわけにはいかなかった。しかも朝青龍引退相撲の会場として、国技館を提供するつもりはない、などというような仰天情報もある。朝青龍横綱としての「品格」を云々するならば、むしろ「品格」がないのは、日本相撲協会と、理事に潜り込んでいる元警察官僚、元検察官僚、そして横綱審議会委員に潜り込んでいる大新聞の幹部達、そして朝青龍バッシングに狂奔した日本国民の方ではないのか、と改めて思う。小沢一郎にしろ朝青龍にしろ、明らかに才能と資質に恵まれた、類まれな、尊敬・畏怖すべき「天才的存在」であろうが、現代の日本人は、それを素直に認めることが出来ないらしい。「政権交代」を実現するのに最大の貢献をした天才的な豪腕政治家や、「平成の天才横綱」とも言うべき大横綱を、「カネ」や「品格」を理由に引き摺り下ろし、袋だたきにするような国民はろくな国民ではない。今頃になって、朝青龍を誉めそやすものがいるが、いい加減にしてもらいたい。さて、小沢一郎朝青龍は似ているが、一点だけ明確に異なる点がある。それは、朝青龍が「押す」だけの人だったのに対し、小沢一郎が「押したり引いたり」が出来る人だ、つまり「待つこと」の出来る人だということだろう。それだから、小沢一郎は、朝青龍のように国民的バッシングの標的になり、烈しい批判・罵倒に曝されることはあるが、しかし朝青龍のように簡単に追放・排除されることはないだろう。それにしても、元警視総監だかなんだか知らないが、「小沢不起訴報道」で、「検察大敗北」が明らかになり、そして「検察の暴走」批判が沸き起こるのを警戒して、それを隠蔽すべく、同じ日の同じ時間帯にタイミングを合わせるかのように、「朝青龍追放」を頑強に主張したという「吉野準」とかいう相撲協会の外部理事をテレビ画面で見たが、なんと、何を勘違いしているか知らないが、意気揚々として笑っているではないか。最近、この手の「天才(横綱)を天才(横綱)とも思わないような…」、凡庸で、不遜な官僚の天下り組が、相撲協会に限らず各所に横行し、ありもしないような「品格」や「美学」等を持ち出して、日本国民を「萎縮」させ、日本を「暗く」するのに貢献しているようだが、こういう日本人にあるまじき倣岸不遜な退役老人こそ、一刻も早く表舞台から退場してもらいたいと思う。(続)


■「朝青龍問題」を、友人の清水正日大芸術学部教授が、ブログで論じています。是非、ご一読を。
http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/20100211




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