文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

櫻井よしこ女史よ、貴女の「北方領土論」はデタラメですね。


鈴木宗男氏が、櫻井よしこ氏の「北方領土返還交渉論」に、「月刊日本」8月号誌上(「再び、櫻井よしこに物申す!」)で、またまた噛み付いているが、この櫻井よしこ鈴木宗男の「北方領土論」論争は、どう見ても櫻井よしこ女史の「無知」と「事実誤認」に基づく議論が土台になっているが、おそらく櫻井よしこ女史は、それを認めることはないだろうから、論争は、どちらかが逃げ出すまで、徹底的にやるほかはないだろう。ここ十数年、保守論壇や保守ジャーナリズムで、派手な言論活動を続けてきたところの櫻井よしこ女史ではあるが、さらに何を勘違いしたのか知らないが、櫻井よしこ女史の「北方領土論」に全面的に依拠・依存して「佐藤優批判」を始めたパチンコ右翼・小林よしのり氏とともに、その無知無学、その事実誤認の故に、いかに無知無学、事実誤認が売り物の保守論壇や保守ジャーナリズムとはいえ、そこから退場を迫られるのも、時間の問題だろう。それにしても、いくら堕ちたとはいえ、いやしくも論壇ならば、いつまでもギャグ漫画家やニュースキャスター上がりのジャーナリストを先頭に論陣を張っているようでは、世も末だろう。いまだに、櫻井よしこ小林よしのりのトンデモ言説を、何の疑いもなく妄信し、これこそ保守思想…と、ありがたがっている保守系の評論家やジャーナリストが存在しているようだが、ギャグ漫画家やテレビタレント以下に成り下がっているという「恥の感覚」というものが、昨今の保守主義者たちにはないのだろうか。さて、「鈴木宗男櫻井よしこ論争」に戻る。鈴木宗男氏の「櫻井よしこ批判」のポイントは、何処にあるのか。すでに前にも書いたように、鈴木宗男氏の批判は、次のような櫻井よしこ産経新聞記事「麻生首相に申す 領土問題1ミリも譲るな」(5/14)に向けられている。

さらに、これらの発言より数年前に、いま、4島返還論の側に立つかのような印象を与える鈴木宗男氏は『4島一括返還』という言葉自体を『時計の針を逆に戻すもの』と批判した。いわゆる段階的返還論を論ずることで、鈴木氏もまた、日本側が2島返還でとりあえず、問題決着をはかる用意があるかのような印象を、ロシア側に与えたのであり、責任は重大だ。
(櫻井よしこ麻生首相に申す 領土問題1ミリも譲るな」産経新聞5/14)

 やや煩雑なので、わかりやすく言い換えると、こういうことだ。櫻井よしこ氏が言っていることは、「鈴木宗男は、今は、4島返還論の側にたっているように見えるが、かつては2島返還論だった。2島返還で問題決着をはかろうとしたことがあり、ロシア側にそういう印象を与えた…。鈴木宗男の責任は重大だ…」ということだ。それに対して、鈴木宗男氏は、「自分は一貫して4島返還論である」「しかし具体的な政府間の外交交渉の戦術として『段階論的返還論』を主張した」「それは日本政府の主張でもあった」と批判しているわけである。二人の発言は、「微妙な違い」に過ぎないように見えるが、実は、政治的に見れば決定的な意味を持つ「違い」なのである。要するに、櫻井よしこ氏の北方領土交渉に関する情報源は、現在の日本外務省筋らしい。おそらく、七年前、鈴木宗男氏と佐藤優氏がスケープゴートにされ、いわゆる「鈴木と佐藤は2島返還で手を打とうとした国賊だ」という外務省寄りのバッシング報道がなされたことがあり、その結果、鈴木宗男氏と佐藤優氏は、結局、逮捕されたわけだが、櫻井よしこ氏は、「鈴木宗男佐藤優切捨て」を試みた当時の外務省よりの情報を鵜呑みにし、それを受け売りしているということだろう。それに対して、鈴木宗男氏は、こう言っている。

 櫻井氏は5月14日の産経新聞に「いま、4島返還論の側に立つかのような印象を与える鈴木宗男氏は」と書いている。ということは、裏を返せば、「かつて鈴木宗男は4島返還論の側に立っていなかった」ということである。これは簡単な話であり、賢明な読者の皆さんは勿論、櫻井氏も当然御理解されていることと思う。
 私が問うているのは、櫻井氏が何を根拠に「かつて鈴木宗男は4島返還論の側に立っていなかった」と主張しているのか、という点である。
 私は一貫して四島返還論者である。四島より少ない数の島の返還をもって、ロシアと平和条約を締結し、北方領土問題の最終的解決とすることなど、一度も考えたことはないし、ロシアとの交渉の場でその様な話をしたことは一度たりともない。
 私は、櫻井氏の好む「四島一括返還論」を今後何百回、何千回、何万回繰り返したところで、島は一つも日本に返ってこないし、一ミリも日本に近づくことはないと考えている。それよりは、現実的に四島を取り戻すにはどうすれば良いかを考えるべきだと主張したい。

「櫻井氏の好む「四島一括返還論」を今後何百回、何千回、何万回繰り返したところで、島は一つも日本に返ってこないし、一ミリも日本に近づくことはないと考えている。」という鈴木宗男の現状認識と分析は正しい。櫻井よしこ氏には、政治や外交が分かっていない。強気の発言を繰り返すことで、「現実的に四島を取り戻すにはどうすれば良いか…」を考えるよりも、マンガ右翼やチンピラ右翼の拍手喝采を浴びたいと、櫻井よしこ女史は考えているのであろう。その後、櫻井よしこ女史は、鈴木宗男氏の批判に答えていないようだが、おそらく都合が悪くなり、公衆の面前で論破されるよりは、「逃げるが勝ち」と判断したのだろう。





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