文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

小林よしのりは、何故、自爆したのか?


再び、最近の小林よしのりの「自爆劇」について書いてみよう。ところで、昨日、佐藤優氏は、沖縄大学のシンポジウム・講演会はなかなか盛会だったようだが、そこで、佐藤優氏は、小林よしのりに対する批判だけではなく、沖縄大学教授で、小林よしのりの沖縄サイドからの協力者・支援者の役割を演じていた宮城能彦氏を、名指しで批判し、公開討論を呼びかけたそうである。宮城能彦と言えば、聞くところによれば、社会学かなんかを専攻し、店や市場の調査研究が専門だったはずで、著作もその関連の書物が何冊かあるだけの、つまり、政治や歴史や思想にはまったくの素人で、小林よしのりのマンガを読んで歴史に感動したり、政治や思想を勉強したりする程度のトンデモ学者である。僕が、一番、驚いたのは、大江健三郎をろくに読んでいないということ、あるいは読んでも難しくてよく分からないということを恥ずかしげもなく公言(告白)してはばからないような知識人だということだった。小林よしのりの支持者なら、それも仕方ないだろうとおもった次第である。さて、小林よしのりが「パチンコ問題」で自爆・自滅したことの責任は、言うまでもなく小林よしのり自身にある。小林よしのりは、今頃になって、漫画家の経済事情を明らかにして、「金にならない漫画は描かない」「パチンコに作品を売ろうと勝手だたろう」というような捨て台詞を並べて居直っているが、無論、それは、小林よしのりの言うとおり「作者の勝手」であろう。しかし、これまでの小林よしのりの言動、たとえば「公的精神」とか「国家という公のために命を捧げる」と言った言葉と比較参照するならば、その小林よしのりの経済合理主義的な言葉が、ブーメランのように、彼自身に降りかかり、彼の首を絞めることになるであろうことは、小林よしのりならずとも、あるいはネット右翼ならずとも自明である。つまり小林よしのりの自滅・自爆は、小林よしのり自身の自己矛盾、自己欺瞞の問題に起因しているのである。これは、チベット問題では、中国という大国による民族浄化や同和政策を、民族弾圧や民族差別として厳しく批判しながら、アイヌや沖縄になると、日本(大和)の同和政策を、近代化の名の元に賛美し擁護するという自己矛盾と自己欺瞞の例と同じである。小林よしのりが、自覚的にそういう子供だましのレトリックを使っているとは思わないが、自覚的ではないが故に、事態はさらに深刻であると言わなければならない。小林よしのりは、現在、小林よしのりの漫画「ゴーマニズム宣言」の熱心な愛読者だった「ネット右翼」からの激しい攻撃に晒されているわけだが、小林よしのりの今後が楽しみである。小林よしのりチャップリンのように読者の期待の地平に迎合するのではなく、バスター・キートンのように、絶えず読者の期待を裏切り、読者の期待の地平を飛び越えていくのだろうか。小林よしのりは、たたせ単に失敗したチャップリンのような気がするが…。



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