文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

佐藤優氏の「小林よしのり批判」(琉球新報)を読む。


以下は、佐藤優氏が「琉球新報」に連載している「ウチナ−評論」で行った「小林よしのり批判」であるが、それにしても不思議なのは、小林自身が、バカデミズムだの、マスゴミだの、あるいは言論封殺魔、イタいネット魔だのと、マンガ右翼らしいギャグを連発しながら、面白おかしい批判や罵倒を日常的に繰り返しているのだから、相手方から反論されたり抗議されたりするのは当然だろうと思うのだが、小林よしのりや、小林よしのり信者、あるいはそれに類する人達は、「小林よしのり批判」に慣れていないらしく、何故、小林よしのりを批判するのか、と抗議してくる。本当に不思議な人達である。まったくこいう反論や抗議に弱い脆弱な精神構造の人たちが、論壇の一隅とはいえ棲息して、大きな顔をしているのかと思うと、侘しくなる。小林よしのりよ、反論や抗議は覚悟の上だったのではないのかね。



琉球新報』2009年1月10日号
佐藤優のウチナー評論(第52回):大田昌秀氏に学ぶ 3」


 新年早々、不愉快な話であるが、政治漫画家の小林よしのり氏が、1月7日発売の『SAPIO』(小学館)1月28日号で、大田氏に言及した上で、筆者を侮蔑する記述をしている。正確に引用しておく。<佐藤優は「沖縄は全体主義の島ではない」と「世界」で大田元知事と対談で主張しているが、真実は自衛隊員が知っている。沖縄の方言もしゃべれない、サンパチロク文化も喪失している者が、何が遠隔地ナショナリズムだ。パトリオティズムなき妄想的沖縄ナショナリズムのくせに!>
 これが小林よしのり氏の印象操作、情報操作の典型的な手法だ。まず、『世界』2009年1月号の筆者と大田昌秀氏の対談を読めば、「沖縄が全体主義の島でない」というのは、筆者の主張ではなく、筆者と大田氏の共通認識だ。この点についてを『世界』を読んでいない『SAPIO』の読者に、「沖縄が全体主義の島でない」というのが筆者の一方的主張であるがごとく印象操作をしている。さらに<真実は自衛隊員が知っている>などという言説は、どの自衛隊員がどこで発言しているかという具体的挙証抜きには何の意味ももたない。
 さらに「サンパチロク文化の喪失」云々のくだりについては、本連載第49回「大城立裕氏の真摯な言葉」で、筆者が<沖縄人の血が流れている一人として、筆者もサンパチロク文化の韻律を回復したい>などと述べたことを指しているものと思われる。確かに筆者は、沖縄方言を自由に操ることはできない。しかし、真面目に沖縄方言(琉球語)の勉強、『おもろさうし』のテキスト研究、更に漢文で『球陽』の読み解きをしている。小林よしのり氏がいくつの言語を習得しているか、筆者は承知していないが、筆者は外交官としてロシア語、英語は日常的な実務で用いてきた。チェコ語では神学書を日本語に翻訳している。更に、いくつかの外国語を勉強したが、そのうちドイツ語、朝鮮語ラテン語、古典ギリシア語は今も仕事で用いている。琉球語については、もう少しで古典ギリシア語のレベルに達すると思っている。沖縄方言の理解不足により、筆者の評論のどのような問題が生じているか具体的かつ実証的に指摘しない限り、この政治漫画家の発言に意味はない。それに、最も重要なことであるが、筆者の自己意識について「妄想的沖縄ナショナリズム」などという悪罵を投げつけられる筋合いはない。もっともこのような侮辱的な言葉を投げつけられることで、筆者の沖縄人としてのアイデンティティーは強化されるので、小林よしのり氏に「刺激を与えてくれてありがとう」と感謝すべきなのであろう。


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