文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

沖縄表象と保守論壇ー小林よしのり『ゴーマニズム宣言』は沖縄戦をどう描いたか?

明日、12/25日(木曜日)に、北千住読売文化センターで、「田河水泡のらくろ』と満州表象」に続けて「沖縄表象と保守論壇ーー小林よしのり「『ゴーマニズム宣言』は沖縄戦をどう描いたか?」の講義を行います。詳しくは、以下の「お知らせ」をご覧ください。さて、小林が論壇に、政治思想マンガ「ゴーマニズム宣言」で登場したのは90年代だが、それ以後、エイズ問題をはじめ、新しい歴史教科書問題、台湾論、反米論、沖縄論、パール判事論、そして沖縄集団自決裁判論と、常に論壇は小林を中心に回ってきたと言っても過言ではない。しかし、それは同時に、この時代の論壇雑誌やジャーナリズムにたむろする世の言論人や思想家の言説の水準が、小林以下に、つまりマンガ以下に成り下がった時代だったということわ意味しているはずである。それは西部邁が、小林を評価し、小林と対等の立場で対談や対話を交わしたころから始まったと言っていいかもしれない。その意味で、日本語という文章で思考する学問や思想を放棄して、思想の商品化、思想の二元論化という分かりやすいギャグ漫画的思考のマンガの軍門に屈した西部邁の思想的責任は重いと言わなければならない。むろん、西部邁以外の渡部昇一曽野綾子中西輝政、そして左翼論壇の人寄せパンダのカン・サンジュン等は押して知るべしであって、誰もそれを批判できないはずだ。僅かに語る値する思想家がいるとすれば、西尾幹二ぐらいなものだろう。ようするに、大阪地裁、大阪高裁と敗訴して、絶体絶命の窮地に追い込まれた「沖縄集団自決裁判」でも、原告側弁護士が最終的に泣き付いた先がマンガ右翼・小林よしのりだったらしいことが、象徴的に意味するように、今の論壇には頼りになる思想家や言論人は、マンガ右翼・小林よしのりしかいないのである。ここに現代日本の悲劇がよく現われているわけだが、今や、総理総裁の椅子までがマンガしか読まないような人によって占拠されている以上、日本の論壇だけではなく、政界や経済界、あるいはアカデミズムですら、その思想水準は、マンガ以下と言っていいだろう。小林よしのりの責任ではないが、やはりマンガ右翼・小林よしのりを論壇の中心から追放・排除し、かつて小林秀雄三島由紀夫、あるいは江藤淳等が活躍していた時代の論壇の思想的水準を取り戻さない限り、日本の覚醒、あるいは日本人の覚醒はないだろう。ところで、その小林よしのりが、得意絶頂のあまり世間を甘く見ているうちに、墓穴を掘って、馬脚を現したのが沖縄論であり、「沖縄集団自決裁判」論だったわけだが、今や留まることを知らないかのごとくアイヌ論、天皇論でも、無知無学を曝け出している。アイヌ論、天皇論と、目先をくらまそうとしているのかもしれないが、もうそういう小技は駄目だろう。「小林よしのりは裸の王様である」「小林よしのりは、たかがお笑い漫画家である」ということが、小・中学生にも分かってしまったのだ。マンガ右翼の暴走と乱痴気騒ぎを許し、そして共に踊り狂った、ここ十数年の論壇の堕落を総括したい。


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マンガ右翼・小林よしのりの終焉!!!
「沖縄表象と保守論壇
ー「小林よしのりゴーマニズム宣言』は沖縄戦をどう描いたか?」



12/25日(木曜日)
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