文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「転向の季節」がやって来た。(笑)


惨敗、野党転落を恐れて、解散・総選挙から逃げまくる総理総裁が三代も四代も続けば、当然そうなるだろうことは予想されたことだが、まさに予想通りに解党・崩壊寸前にまで追い詰められている自民党が、分裂含みの醜悪な内紛劇を続けているようだが、奢れる者は久しからず、というわけで、それも自業自得であり、個人的には大いに歓迎すべきこととはいえ、今さら、それに対する感想も批評も、別段ない。ただ自民党が政権党であるという理由だけで、盲目的に自民党を支持してきた右派・保守派の文化人やそれに追随する愚民大衆は、今、どういう心境なのだろうか、と思うと、なんとなく愉快である。だからと言って、僕は、前原某や細野某などが活躍する民主党を全面的に支持しているわけではない。ところで、自民党の崩壊を目前にして、自民党という泥舟から逃げ出そうと慌てふためいている人たちの右往左往振りを見ていると、激しい怒りを感じると同時に、心の底から軽蔑したくなるのだが、これは不自然だろうか。たとえば、「喜八ブログ」によると、小泉改革、竹中改革の先鞭をつけるかのように、マスコミを中心に「新自由主義経済学」を主張し、各処で引っ張りだこの売れっ子だった中谷巌という悪名高い経済学者がいるが、今、何をしているのかと思っていると、なんと、驚くなかれ、今頃になって、かつての「新自由主義経済学」や「構造改革」的な言動を「反省」し、「懺悔」しているのだそうである。しかも、なんと、今度は、小泉・竹中改革の理論的前提であった「新自由主義経済学」や「構造改革」への批判者として、再度、マスコミで売り出そうとしているらしいのである。経済学者とかエコノミストとか称する人間の思想的レベルなんてそんなものだろうと思っていたが、さすがに、僕も、唖然とせざるをえない。中谷巌は、むしろ今頃は、小泉や竹中と並んで、町内引き回しの上、獄門打ち首、さらし首になっていても不思議ではない人物だろうが、驚くべきことに「週刊現代」(2008年12月27日・2009年01月03日号)に登場し、次のようなことを言っているらしい。許せない!!!(笑)。

豊かな中流階級はどこへ消えた


 私《中谷巌》はいま、これまでの自分の主張が誤りだったと率直に反省しています。
1990年代、細川内閣や小渕内閣で首相の諮問機関のメンバーだった私は、規制緩和や市場開放の旗を熱心に振り続けました。
 そして小渕内閣の「経済戦略会議」議長代理として発した提言は、その後、同会議の委員だった竹中平蔵さんによって引き継がれ、彼が小泉内閣で政策立案の中心人物となったときに、小泉構造改革の一環として実現していきました。
 小泉構造改革は日本にアメリカ流のグローバル資本主義を持ち込みました。間接的にですが、その改革に参画した私は、小泉・竹中氏同様、日本社会に構造改革を持ち込んだ張本人なのです。
 しかし、いきすぎた構造改革は日本社会の良き伝統を壊す強烈な副作用を生み出しているように思われます。貧困層の増大、異常犯罪の増加、ぬくもりのある社会の消失などです。「これはいけない」と、私は自らの主張が誤りだったと悔恨の念を持っています。
「すべての改革が不要だった」と言っているわけではありません。ただ、改革は人々が幸せになるための手段です。構造改革で日本人は幸せになれたでしょうか? 多くの人々を不幸に陥れてしまう改革は、改革とは呼べないのです。

僕は、こういう「反省」や「懺悔」を決して許さず、反省し懺悔するなら、つべこべ言わず、即、腹を切れ、泣き言も反省の弁も聞く耳は持たない、というのが日本文化のよき伝統であって、そこに日本的、あるいは日本人特有の厳しさがあると思っているが、反省や懺悔を声高に叫び、それを商売にする輩、要するに「転向」を売り物にする輩は、戦前のマルクス主義者から天皇主義者への、あるいは戦後の軍国主義者から民主主義者への「一億総転向の季節」以来、後を絶たないようである。いずれにしろ、今頃になって、こういう「転向」を売り物にする経済学者やエコノミストを喜んで登場させるマスコミ、週刊誌こそ、日本の恥である。そもそも思想的に未熟そのものの経済学者やエコノミストを、政治家やマスコミが救世主のごとく持ち上げすぎたことが、日本の「失われた10年、20年…」の元凶なのである。小泉構造改革を主張する「新自由主義イデオロギー」であろうと、あるいは昨今、急速に台頭しつつある「新自由主義批判イデオロギー」であろうと、経済学者やエコノミストの言うことを真に受けてはいけない。「弱者の味方」とか「弱者にやさしい政治」とか言っている輩が、僕は大キライだ。だから、時期を見計らうかのように、今頃になって小泉構造改革を批判し、昔から分かっていたかのように、もっともらしい「新自由主義批判」を展開している経済学者やエコノミストがマスコミ内外に溢れかえっているが、かつて小泉構造改革を賛美し、構造改革の論陣を張り、権力や利権に群がった経済学者やエコノミスト同様に、僕は信用しない。消えてくれ。



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