「政界再編」を夢想・妄想する自民党議員たちの政治的愚かさについて。

政局に興味はないけれども、最近、やけに目に付きだしたのが、麻生政権の支持率下落と共に蠢き出した一部の自民党議員たちの愚鈍きわまりない「反麻生的動き」だが、つまり具体的に名前を出せば、明治維新の志士でも気取っているかの如く悲憤慷慨している渡辺某や中川某の動きだが、ちょっと見ていられないので、一言、書いておこう。そもそも、今は、自民党そのものが政権交代、政権脱落どころか、むしろ解党寸前という絶体絶命の政治的危機追い込まれているのである。そして、自民党の政権離脱、あるいは解党は、日本の政治にとっては、現在においては最良の選択だと僕は思っている。現代日本政治の諸悪の根源が、小泉政権以来、大きく変質した自民党の政治的体質にあることは明らかであって、それは自民党の解党か、あるいは自民党の解党的出直しでもしない限り摘出不可能な病根である。しかるに渡辺や中川は、さかんに怪しい正論を振り回し、大言壮語しつつマスコミを舞台に右往左往しているが、それは、自民党の解党的危機を、離党や新党を視野に政界再編等を目指すことによって回避し、小泉政権以来の悪しき自民党的体質を温存させつつ、みずからも政権政党の利権の周辺に居座ろうとしているものに過ぎない。特に中川は、自民党内の主導権争いや内部からの改革が不可能だとわかったのか、民主党に、離党や解党を呼びかけているようだが、何を勘違いしているのか、と言いたい。自民党が危なくなったから、いち早く民主党に擦り寄ろうとしているということだろうか。僕は、麻生太郎の政権運営には批判的だが、政策に関して言うならば、どちらかと言えば、麻生政権の、反小泉的・反竹中的な政策の方に賛成である。むしろ、中川某や渡辺某のような自民党政治家こそ、小泉的、竹中的「改革思考」の虜になっている自民党議員であって、彼等に、解党的危機に追い込まれている現在の自民党を立て直せるはずがない。小泉政権以来の、彼等の「改革思考」こそが、自民党を、現在の絶体絶命の解党的危機に追い込んだのである。漢字もろくに読めないのに、何でも知っているかのように、空威張りばかりしている麻生もダメだが、「自民党を改革する」という中川や渡辺は、さらにダメなのである。ところで、アメリカ発の金融危機に端を発した「円高」傾向が、さらに加速されつつあるようだが、僕は、べつに、トヨタを筆頭とする輸出関連の一部の大企業の経営を圧迫する「円高」を、日本の危機とは思わない。むしろ輸出依存、国民経済無視の、いわゆる「トヨタ」的なるものやその関連企業を、リストラや操業停止というような危機的状況に追い込む「円高」を歓迎する者である。そして言いたい、「円高」も「円高不況」も、すべては自己責任だろう。

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