文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

佐藤優は、何故、小林よしのりごとき、「たかが漫画家」と闘うのか?


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近くの本屋に立ち寄って、獲物を物色しつつ、ちよっとぶらぶらしていたら、店頭の平積みのところに、佐藤優の角川文庫フェアなる催しらしきものがあるらしく、佐藤優のパネル写真と共に佐藤優関連の書籍が並んでいて、そこに、佐藤優本の中で、僕がもっとも高く評価する『国家と神とマルクス』の角川文庫版がうず高く積み上げられているのを見て、なるほど佐藤優の思想的なパワーは、落ちていないどころか、ますますパワーアップしつつあるな、ということを痛感したのだが、やはり佐藤優の思想的パワーの源泉は、この『国家と神とマルクス』という本のタイトルが示すように、左翼、右翼を問わず、これまでの論壇やジャーナリズム、あるいはアカデミズムに欠如していた原理論、本質論……が、つまりマルクス論や国家論、あるいは宗教論から芸術論までが、その思考の根底にあるということだろうと思った。佐藤優は、今、多くの連載や出版企画を抱えつつ、一見、無駄のように見えるけれども、「マンガ右翼・小林よしのり」というトリックスターと、論壇的な思想的生き残りを賭けて、「闘っている」わけだが、佐藤優が、何故、小林よしのりごとき「たかが漫画家」にすぎない論客に、闘いを挑んでいるかということが、角川文庫版の『国家と神とマルクス』を手にして、初めて、僕にもわかったような気がした。佐藤優が、「これは論戦ではない」ということからも、「マンガ右翼・小林よしのり」を、マトモに思想的、学問的な論争相手にしていないことは明らかだが、しかし、昨今の多くの保守思想家や論客達のように、小林よしのり知名度に媚びて、小林よしのりに低姿勢で近づいていったり、あるいは逆に、まともな論争相手と勘違いして「マンガ右翼」に過ぎない小林よしのりを過大評価し、敢えて漫画的な「論争ごっこ」に加担し、その結果、一方的な批判罵倒合戦に巻き込まれ、大恥をかかされるというのが実情だが、佐藤優の場合はそうではなく、論壇やジャーナリズムの水準をマンガ的レベルに引き摺り下ろし、文字通り論壇やジャーナリズムをマンガにしている小林よしのりというマンガ右翼を、それに相応しいレベルでの「非対象の闘い」を敢えて買って出ることによって、つまり論壇的に、あるいは職業的に、徹底的に冷笑し、愚弄し、その挙句、論壇やジャーナリズムから葬送し、排除するという荒療治を施すことなしに、現在の閉塞状況に陥っている論壇やジャーナリズムの「漫画的状況」を活性化することは不可能だと、考えているように見える。要するに、佐藤優が得意とする国家論やマルクス論、あるいは国体論、宗教論のような本質的、原理論的な話題を、小林よしのりを相手に持ち出し、建設的な議論を展開する必要はない、ということだ。ただし、「たかが漫画家」と言うなかれ、である。良かれ悪しかれ、ここ10数年、小林よしのりというマンガ右翼に振り回されてきたのが日本の論壇とジャーナリズムなのである。言い換えれば、ここ10数年の日本の論壇とジャーナリズムは、西部邁から中西輝政まで、ことごとく「マンガ右翼的段階」に留まっていたということだろう。佐藤優が突き破ろうとしているのは、小林よしのりに象徴される「マンガ右翼的段階」に留まって安眠を貪っている論壇やジャーナリズムの退廃的な空気であろう。佐藤優は、「マンガ右翼・小林よしのり」とともに、ここ10数年の日本の論壇とジャーナリズムに巣食ってきた、西部邁から中西輝政まで、あるいは桜井よしこから曽野綾子までの似非論客達を、一挙に葬り去ろうとしているように見える。そのために、小林よしのりというマンガ右翼を相手には、まともな思想的、学問的な「論戦」や「論争」ではなく、それこそ漫画的な、メディアのゲリラ戦を展開するのが相応しいし、それで充分だというわけだろう。小林よしのりは、論壇やジャーナリズムでの生き残りを賭けて、佐藤優と闘っているつもりであるにもかかわらず、佐藤優に、「小林よしのりごとき、マンガ右翼なんかと喧嘩していられるか……」と、まともに相手にしてもらえないという段階において、すでに負けている。というわけで、小林よしのりよ、佐藤優に向かって論争を挑み、逆に返り討ちを浴びて、恥の上塗りを繰り返すのではなく、さっさとギャグ・マンガ「お坊ちゃま」君に戻れ、と言いたい。お前の生きていく場所は、そこにしかない。





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