文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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小林よしのりよ、もう逃げるのか? 次号の「ゴー宣」は「天皇論」だと?


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「SAPIO」で、佐藤優を「言論封殺魔」と呼び、ひたすら言論封殺、言論弾圧の被害者の立場から、つまり弱者としての位置から反撃するという、言論人として、あるいは論争家として、かなり胡散臭い戦略を行使している小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」が書店に並んでいたので、読んでみたが、弱者の恐喝的言論に終始していて、明らかに佐藤優を相手に腰が引けていて、論争から逃げ腰であることがわかって、言葉だけは勇ましいが、その言葉の激しさに内容が伴っていないので、失望した。しかも、わずか二回だけで、もう佐藤優批判、佐藤優攻撃は打ち切り、次の「ゴー宣」のテーマは「天皇論」になるらしい。要するに、小林よしのりにおいては、沖縄論やアイヌ論での佐藤優批判、佐藤優攻撃の論理は、これ以上、持続し続けることは不可能であるらしいのだ。おそらく、沖縄論やアイヌ論を前面に出し、これらのテーマで佐藤優を相手に執拗に論争することで、思考の深みにはまることを警戒していると思われる。小林よしのりが得意とするのは、浅瀬での罵倒合戦だからであろう。こんなことを書いている。

わしズム』はかなり売れていて、しかも各方面に衝撃を与え、読者からも大好評である。
 編集部にはウタリ協会を名乗って電話で怒る者がいるが、本当に協会員かどうかはわからない。正式な抗議は今のところない。
 これは本来、ジャーナリズムがやらねばならないことだったはずだ。だが日本のメディアはウタリ協会のプロパガンダしかやってこなかった。
 NHKの「その時、歴史は動いた」で放映した知里幸恵の話はひどかった。呆れ果てた。
 全面的にウタリ協会のプロパガンダで、アイヌを被害者で先住民族、日本人を侵略者、アイヌの自然崇拝は文明よりえらいという、あまりにも偽善とステレオタイプにはまった馬鹿馬鹿しいお話作りをしていた。
 今のジャーナリズムは戦前と何も変わっていない。とにかく疑問を持たないし、空気に弱いし、抗議に弱い。
 戦前は大本営発表で、最近はウタリ協会発表。国粋主義り代わりに人権主義が跋扈して、弱者や少数者を自称する団体の主張を鵜呑みにしてプロパガンダする。
 わしが『ゴー宣』や『わしズム』をやめたら、一体どこが抗議に屈せず、言論の自由を守り、議論を喚起し、真実を国民に知らせることができるのか、実に不安だ。
 右や左は関係ない。悪人と言われても、非国民と言われても、世間の同調圧力に屈せず、個人や団体の圧力に屈せず、異論を唱え、真実を主張することが出来るか?それだけだ。覚悟の問題だ。(「SAPIO」12月17日)

これが、今週発売の「ゴー宣」の冒頭部分に小林よしのりが書いている文章であるが、正直のところ、「売り上げ」自慢から始まるこの文章を書き写していて、恥ずかしくなるような幼稚・稚拙なメロドラマ的な殺し文句の羅列である。小林よしのりさん、かっこいいねえ。ヨッ、色男。世界は、小林よしのりよ、オマエを中心に回っているのだなー、と冗談の一つも言ってみたくなるが、小林よしのりのような頭の悪い漫画家は、すぐ言葉の真意を誤解して、そのまま文字通りに、お真面目に受け取めて、大騒ぎし始めるから止めておこう。それにしても、今時、このような歯の浮いた様な、自意識の欠如した破廉恥な自慢話を鵜呑みにする人は、小学生でも、そんなに多くはいまい。ラ・マンチャの男ドン・キホーテもいいところである。そもそも小林よしのりが「わしズム」で展開した「アイヌ論」の論理構造は、文字も持たない非文明的で、貧しく、不潔な原住民としてのアイヌ民族を、近代的で文明化した日本人が、その非文明的、前近代的段階から救い出し、文明的段階に押し上げてあげたという「近代化論」であるが、小林よしのりは、このシャモ(日本人)側の一方的な論理構造を、何の疑いもなく、肯定し、賛美し、擁護する。言うまでもなく、これこそが、異民族に対する「文化侵略」であり、「民族浄化」「民族同化」の論理であることは、現代思想を少しでもかじった者にとっては常識であるが、むろん、それに賛成するかどうかは別としても、小林よしのりは、素朴で純情なマンガ右翼らしく、要するに馬鹿な漫画家らしく、「日本人はアイヌに対して『いいこと』をしてやった」と、躊躇することなく断言する。さすがに、僕も、この小林よしのりの「アイヌ論」の杜撰な論理には、驚くほかはない。おいおい、小林よしのりよ、オマエは、そういう幼稚・稚拙な「アイヌ論」で満足なのか? そして「売り上げ」だけを頼りに、アイヌを特集した「わしズム」は書店で売り切れ続出で、つまり多くの読者が支持してくれた、と何処まで事実に基づいているかは知らないが、自慢するに至っては、何をか況やである。そこまで無知・無学な阿呆だったとは。漢字の読めないことを揶揄され、日本国内だけではなく、中国でも漢字の読めない「馬鹿首相」扱いされている麻生太郎も、小林よしのりにはかなうまい。しかし、今週発売の「SAPIO」掲載の「ゴー宣」の主なテーマは「アイヌ論」ではなく、あくまでも「言論封殺」「言論弾圧」であるらしく、「アイヌ論」をさらに深め、さらに緻密に分析・解明していく意思は、残念ながら、ないようだ。つまり、もうこの「アイヌ論」からも、今、始まったばかりなのに、小林よしのりは逃げようとしているのだ。これは、「アイヌ論」も、小林よしのりにとっては、所詮は、「売り上げ」を高めるためだけの目先のネタにすぎないということだろう。ちなみに、小林よしのりが、前回の「ゴー宣」で名前を挙げて攻撃していた右派系オピニオン雑誌「月刊日本」では、12月23日発売の最新号(12月号)で、佐藤優だけではなく、鈴木宗男、そして小生が(山崎行太郎)が、小林よしのりの時代遅れのデタラメな「アイヌ論」を取り上げ、かなり激しい口調で反論を書いているのだが、これも、「月刊日本」なんてマイナーな雑誌を相手に論争するなんて、「売名行為」に協力するようなものだから、その論争に「公的意義」はないだろう、という理由から無視するつもりかな。



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