文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「澪標」に「丸山真男と小林秀雄」を連載開始……。「澪標」は日本保守主義研究会の機関紙。

dokuhebiniki2008-05-13


20代前半の若者達を中心に、大学生、大学院生、若手研究者たちで組織された「日本保守主義研究会」という保守系の思想集団があるが、このグループの機関紙が「澪標」(れいひょう)というわけだが、このたび編集長が早瀬善彦(京都大学大学院博士課程)に交替したのを機会に、大幅にリニューアルし、本格的な思想雑誌、オピニオン雑誌として再出発することになり、僕も、その「澪標」新装版に、「丸山真男小林秀雄」なる連載評論の第一回目を掲載させてもらったが、僕の連載は別として、井尻千男先生の巻頭言を初め、遠藤浩一氏の講演など、論文やコラムの数は少ないが、なかなか充実した内容でこれからが楽しみだが、中でも雑誌主幹の岩田温(早大政経大学院卒、拓大特別研究員)と編集長の早瀬善彦の両君の対談「情報から思想へ」が、既存の保守論壇保守系論壇雑誌メディアの商業主義的、イデオロギー的な限界と陥穽を鋭く抉り出し、読み応えがあり、これからの保守論壇に一石を投じると同時に、保守論壇の世代交代の必要性を感じさせる内容で、おそらく硬直化し、思想的劣化現象がますます顕著になりつつある保守思想の世界に、新しい息吹を吹き込む記念碑的な思想史的意味を持つものになるだろう。次号からは、早瀬善彦の「ハイデッガー論」や岩田温の「難波田春夫研究」も始まるらしいから、既存の保守系オピニオン雑誌が落ち込んでいる場当たり的な「情勢論」「時局論」中心の雑誌編集に飽き足らない保守層に、強力な思想的、理論的メッセージを送ることになろう。僕とは、親子ほども歳の離れた若者達が自腹を切って運営する雑誌だが、思想や学問に年齢の区別はなく、その考えることや目指すところにはなんら変わりはないわけで、それが僕が、年齢などまったく考慮せずに、敢えて彼等の雑誌に喜んで書かせてもらった理由である。無論、彼等の思想運動の意味は、単に「若い」というだけの問題ではなく、おそらく彼等の「思想性」にある。「若さ」というだけなら、ネット右翼やマンガ右翼も同じようなものだろうが、彼等が、まともに本を読まない「ネット右翼」や「マンガ右翼」と決定的に異なるのは、繰り返すが、その思想の深さであり、その哲学的思想性の洗練度である。彼等が、保守論壇や思想界を席巻する日は、そう遠い日ではあるまい。


●日本保守主義研究会メルマガ「闘う保守……憂国読書録」より。http://archive.mag2.com/0000099590/index.html

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