文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

大江健三郎氏が、「佐藤優/山崎行太郎対談」(「月刊日本」3月号)から引用……。


「世界」6月号巻頭に大江健三郎氏が、「沖縄集団自決裁判」問題について、大阪地裁判決の内容についての詳しい感想を綴った文章を発表しているが、実は、先日、佐藤優氏に教えられるまで気が付かなかったのであるが、その文章の中に、小生と佐藤優氏との「対談」の、曽野綾子の゛誤字・誤読゛に関する発言の「文章」が、「大江氏の政治思想には反対の立場である山崎行太郎氏の発言……」と断り書きした上で、かなり長文で引用されている。大江氏も、小生の「沖縄集団自決裁判」論文や対談を読んでくれていたようだ。また、曽野綾子氏も、「will」6月号の連載エッセイで、同じくこの「沖縄集団自決裁判」の判決に対するコメントを掲載しているが、こちらは肝心の「誤字・誤読問題」には一言も触れず、判決文の内容の一部への当たり障りのない批判的な文章を、長々と綴っているようだが、おそらく曽野綾子氏としては、逃げるに逃げられない瀬戸際に追い込まれ、仕方なく恥を覚悟の上で、「誤字誤読問題」には触れない形で、お茶を濁して、この問題に決着をつけ、早々にこの問題から逃げようとしているのであろう、と思われる。ただし、曽野氏が、判決直前まで、保守系メディアにおいて、さかんに「罪の巨魁」発言を繰り返していたことは、もはや、誰でも知っていることであって、この「罪の巨魁」発言に頬かむりして、何もなかったかのように無視し、沈黙したまま逃げるということは、ましてや、肝心な文献からの引用において「誤字」を放置したまま、一言の断りもなく、その問題の著書『ある神話の背景』を発売し続けるということは、出版ジャーナリズムの原理原則から見ても、許されることではないだろう。