文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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「小説新潮」の本田靖春ルポ「座間味島1945」と宮平秀幸の証言……。

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★まず、ここを読んでから、下の拙文をお読みください。★
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■現場にいなかった新証言者……宮平秀幸本田靖春に語った「座間味島集団自決の真実」
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080310




以下は(写真)、「小説新潮」の本田靖春ルポとその中の宮平秀幸の証言を紹介している部分である。ところで、一昨日は、「宮平秀幸講演会」に続いて沖縄県庁で、藤岡信勝つくる会」会長等と宮平秀幸が記者会見し、例の「梅澤裕隊長は『自決するな』と言い、忠魂碑前に集まっている住民は『解散させよ』と命令した」という証言を繰り返したようだが、僕は記者会見の様子は現場にいないからまつたく分からないが、一応、「琉球新報」に、この問題で簡単にコメントしたので、小さな記事だとは思うが、「琉球新報」の11日の夕刊に掲載されたかもしれない。それとは別に、「チャンネル桜」のビデオにおける「宮平秀幸証言」をもう一回念入りに聞いてみたのだが、その時、腑に落ちない言葉に遭遇して、ちょっと笑ってしまったが、それは「尊厳死」という宮平秀幸の口から出てきた言葉だった。要するに「集団自決は尊厳死」だったという解釈のようで、それは、言わば、最近の保守派の一部が主導する「集団自決」を「殉国美談」に仕立てようとする思想的な動きと連動した言葉であり、宮平秀幸がそれらの思想動向に精通していることを伺わせる言葉であって、「集団自決は尊厳死だ」という言葉は、おそらく宮平秀幸の内部から出てきた言葉ではなく、要するに他人の言葉の模倣であり、最近習い覚えた誰かの言葉の受け売りだろう、と僕は思った。というのは、実は、宮平秀幸は、「1987年」頃の時点では、本田靖春の取材に答えて、集団自決は「当時の教育に責任がある……」と主張していたからである。「戦前の教育に責任がある……」という論理から「尊厳死だった……」という論理への転換に、僕はかなり興味をそそられる。むろん、意見や解釈を変えるのは人の常であって、別に問題はない。問題なのは、宮平秀幸という人が、その時代の流行思想や流行の言葉に敏感で、しかも口が軽く、きわめて安易に時局に迎合しやすい性格と資質の持ち主らしいという問題だろう。それを見抜けずに大騒ぎしている藤岡信勝等が鈍感なだけであって、宮平秀幸は、今回も、30年前の証言とは矛盾した「新証言」を大真面目に繰り返しているようだが、彼自身の内部ではそれになんの矛盾も疑問も感じてはいないのだろう。宮平秀幸は、その時々で、一生懸命に時局や時流に迎合し、世間の注目を浴びようとしているだけなのだ。そういう人間の口車に乗せられる方が愚かなのであって、責任は騙された藤岡信勝等にあるだろう。あるいは、この話はもう少し手が込んでいて、実は、すべてを藤岡信勝や梅澤裕等が綿密な打ち合わせの元に企画立案し、情報工作や洗脳工作を繰り返した末に、口の軽い宮平秀幸という道化師を使って、「沖縄集団自決裁判」の判決一ヶ月前という絶好のタイミングを見計らって、一芝居打った、ということかもしれない。そんなことはどっちでもいいことだが、宮平秀幸が「教育の責任」について語った部分を引用しておく。

「私たちは、敵につかまれば、男なら虐殺されて、女はなぶりものにされると信じ込まされていた。考えてみれば、それは日本人が中国でやったことなんですね。自分たちがやったんだから敵も同じことをするに違いない。どうせそんな目に遇うんだったら。゛生きて虜囚の辱めを受けず゛で、自決したほうがいい。そういう考え方が、私たちの間に浸透していた。だから、集団自決は、日本の誤った教育が引き起こしたんですよ。ましてここは小さな島で、逃げるにも周囲は海で囲まれていて、その海を敵の艦船が埋めたんですからね。」
というのは秀幸さんで、この発言は問題のありかを言い当てている。

この本田靖春ルポで宮平秀幸が語っているように、「集団自決は、日本の誤った教育が引き起こした」と言うのであれば、明らかに集団自決は「尊厳死」なぞではなく「犠牲死」であり「無駄死」ということになるはずである。しかるに、宮平秀幸は、今や、戦前の教育は素晴らしく戦後の教育は間違っているという思想的立場の「新しい歴史教科書をつくる会」の面々に取り囲まれて、「集団自決は、日本の誤った教育が引き起こした」なんて、かつての発言なぞはものの見事にすっかり忘れて、意気揚々と集団自決を美化し、集団自決は尊厳死だったと主張しているというわけだ。ちなみに、人の噂によると、本当かどうか確証はないが、宮平秀幸という人物は、米軍にいち早く投降した上に、米軍が支配者として君臨していた戦後の時代には米兵に接近し、米兵等と親交を結び、米兵からもらった機関銃を海に向かって乱射して遊んでいたような人物でもあるらしいが……。






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◆参考資料Ⅰ(山崎行太郎ブログの「ガセネタ宮平秀幸証言」徹底批判特集」)

……「宮平秀幸新証言」批判のまとめ……
■現場にいなかった新証言者……宮平秀幸本田靖春に語った「座間味島集団自決の真実」
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080310
■「宮平秀幸新証言」はガセネタのだった? 宮平秀幸は「マリリンに会いたい」の飼い主だった。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080309
■「宮平秀幸新証言」はヤラセか自作自演か。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080307/
■自決か玉砕か……http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080306/
毎日新聞ですでに証言していた……昔から宮平秀幸は「語り部」だった。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080305/
アエラよ、お前もか……勉強不足の「アエラ」記者は「保守派沖縄ツアー」に同行していた。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080304/
世界日報記者よ、もつと沖縄史を勉強せよ。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080302/
アエラ記者よ、もっと沖縄史を勉強せよ。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20080301/


◆参考資料Ⅱ

■参考資料ー産経新聞宮平秀幸証言の概要「集団自決、隊長はいさめた 
「沖縄・座間味で日本軍強制説否定する新証言」
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080222/edc0802222314002-n1.htm
座間味島集団自決の証言者「宮平秀幸さんとの偶然の出会い
藤岡信勝自由主義史観研究会代表・拓殖大学教授)
http://www.jiyuu-shikan.org/rekishi152.html
■参考資料(「ちゃんねる桜」より)ーー宮平秀幸証言ビデオ。

チャンネル桜 「爆弾!」スペシャル 沖縄集団自決の真実
軍命令は「あった」!? 衝撃の新証言を徹底検証!

★平成20年2月16日 放送★
出演
井上和彦(軍事ジャーナリスト)
奥茂治(南西諸島安全保障研究所 副理事長)
藤岡信勝拓殖大学教授)
皆本義博(元陸軍海上挺進第3戦隊中隊長・陸軍海上挺進第3戦隊戦友会会長)
中村粲獨協大学名誉教授・昭和史研究所代表)※ビデオ出演
司会:水島総日本文化チャンネル桜 代表)

宮平証言一http://www.youtube.com/watch?v=0flOGTIeao0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=DVWSrH-7_fU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=H6KHRUi3BUM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Nh0MM5xCc-s&feature=related
沖縄タイムス記者とのトラブルhttp://www.youtube.com/watch?v=lFrV5rkY6-8&feature=related
アエラ記事についてhttp://www.youtube.com/watch?v=Z7ioKgwuF4w&feature=related