文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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守屋・宮崎逮捕は秒読みか?

米国GE社(ゼネラル・エレクトリック)が、問題の日本ミライズ山田洋行との代理店契約を破棄したらしい。これで、いよいよ、「守屋接待ゴルフ事件」は、国内問題にとどまらず、在日米軍だけでなく米国民間会社をも巻き込んだ国際的な広がりを持ち始めたわけで、ますます大疑獄事件へ発展しそうな雲行きとなってきた、と見ていいのではなかろうか。こうなれば、捜査当局も後退は許されないだろう。ここで捜査当局が尻込みしたら、それこそ密室での政治取引を疑われることになる。民主党優勢の政治情勢の中で、まさか(笑)、そんなことはありえないだろう。しかも、昨日は、党首密室会談で、福田首相小沢民主党に「大連立」を呼びかけたが、民主党の役員会がそれに全員反対し、大連立構想がご破算になった日であり、自民党の弱体化、つまり自民党の統治能力の喪失、政権担当能力の喪失が、白日の下に曝け出された、記念すべき日である。もはや、守屋事件の拡大を防ぎとめる力は福田自民党にはない。ところで、小泉政権時代に政治謀略と国策捜査の対象になり、鈴木宗男と共に逮捕された佐藤優氏は、この守屋スキャンダルをめぐるマスコミの守屋バッシング報道を、鈴木宗男佐藤優事件と類似していると指摘した上で、その政治的背景や検察のリーク情報を警戒せよ、と言っているようだが、僕はそうは思わない。守屋事件は、鈴木宗男事件とはそのスキャンダルの性質ややバッシングの意味がまるで違う。政界への波及は必至だが、守屋事件の暴発と背景には、おそらく政治的なものはない。事件の発端は、山田洋行という新興の防衛関連商社の内紛である。中心人物は、守屋元次官を接待漬けにした「山田洋行」の「宮崎元専務」と言われている人物だが、その宮崎元専務が、不動産売買やゴルフ場経営で失敗し、その損失を、山田洋行株の売却で補填しようとした社長一派と経営方針をめぐって対立したために、防衛関連担当の社員40数名を引き連れて独立、「日本ミライズ」を設立したことに始まる。山田洋行と宮崎元専務の間では告訴騒動も起きているらしい。米国政府の対日謀略を含めて言うのだが、もしこの守屋事件に政治的背景があるとすれば、宮崎元専務を、社員40数名と共に、山田洋行から退社・独立させ、新会社「日本ミライズ」を設立させるように働きかけた人物の存在であろう。はたしてそういう人物の暗躍があったのかどうか。僕は無いだろうと思う。僕は、小泉構造改革批判の時もそうだったが、米国からの対日謀略という図式ばかりに固執すると問題の本質を読み違えると思う。小泉構造改革を推進した竹中平蔵一派(「諸君!」に登場している高橋洋一内閣参事官…)は、米国政府のエージェントなのではなく、ただ単に、米国留学時代に「新自由主義」的な「新古典派経済学」に洗脳されただけの「チンピラ学者」にすぎない。問題は、米国留学帰りのチンピラ学者やチンピラ官僚を理論的に批判し、論破し、政権中枢から追放できなかった日本国内の政治家や経済学者、マスコミ、一般大衆にある。つまりわれわれ国民の思想的な劣化が、竹中一派の悪政と暴走を許したのである。関岡某のように、竹中らの背後に、「米国政府の意図や謀略」を読むのは深読みであり被害妄想的な陰謀論の一種に過ぎない。「奪われる日本」の被害者も加害者も日本国民である。米国や中国、あるいは北朝鮮を「悪役」に仕立てて、日本国民は悪くない…、日本国民に責任は無い…、悪いのは「●●」だ…というような国際謀略論が、保守論壇ネット右翼の間で、あたかも正論のごとく持て囃されている昨今だが、それこそ最近の日本国民の思想的劣化を象徴し、知的退廃を物語るものだろう。関岡某の「米国の対日要望書」犯人説に洗脳され、踊らされている保守論壇ネット右翼こそ思想的劣化の象徴そのものであり、まことに哀れというしかない。ちなみに関岡某の正体は反米左翼である。保守論壇も堕ちたものである。さて、すでに、守屋スキャンダルも、田中角栄ロッキード事件と同様に、米国政府による「自民党潰し」の謀略だとか、「旧田中派経世会潰し」の謀略だとかいうような情報が流れているようだが、そういう情報自体が「謀略情報」の可能性が高く、かなり信憑性は怪しいと言わなければなるまい。いずれにしろ、もし、山田洋行の内紛・独立騒動がなければ、この守屋問題は浮上してこなかったはずである。むしろこの守屋接待ゴルフ事件が、小泉・安倍・福田と続いた売国的な「構造改革政権」に終止符を打つことになるだろう。無知蒙昧なインチキ学者のインチキ経済理論に依存した前代未聞の暴政・悪政によって、国民生活を悲惨のどん底に突き落とし、日本列島を破壊しつくした「極悪政党」としての自民党が、今、ここで、下野することは、いいことである。今ごろ、慌てふためいて「大連立構想」なるものを画策し、それを民主党に蹴られて茫然自失の自民党は、すでに政権担当能力を喪失して、痴呆状態にある政党である。一度、潔く下野し、組織や人身を一新し、ゼロから再出発すべきである。というわけで、守屋・宮崎逮捕も秒読みか?
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■GE、取引など一時停止 山田洋行日本ミライズと (共同通信)


 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が、防衛商社の「山田洋行」との取引や、同社の元専務が設立した「日本ミライズ」との代理店契約を一時停止したことが、2日明らかになった。GE側は10月31日に、すべての取引をいったん停止すると2社に通告した。「再開の見通しや代替策は未定」という。守屋武昌前防衛事務次官は、国会証人喚問で、山田洋行の元専務からゴルフ接待を再三受けていたと証言した。

[ 2007年11月2日12時16分 ]