文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

保守論壇は、何故、かくも幼稚になったのか?(笑)


■今はもう「前首相」ということになってしまったが、その安倍前首相の、「もう、や−めた。」という前代未聞の自虐的というか、自爆テロ的というか、あるいは終末論的というか、お子様ランチ的な「政権ぶん投げ、ヒキコモリ劇」で、一番、慌てふためいているのは、たぶん、自民党関係者でも、財界関係者でもないだろう。それは、おそらく、安倍首相を、「保守の星」とか「闘う政治家」とか言って誉めそやし、崇めたてまつり、そしてそういう賛辞を真に受けて「美しい国」だの、「戦後レジ−ムからの脱却」だの、「教育再生」だのと、空疎な美辞麗句を並べ立てるだけの安倍内閣へ、熱烈な支援と声援を送り続けて来た保守論壇の綿々だろう。というと、すぐに、中西某や桜井某嬢、岡崎某・・・等の顔が浮かぶが、彼等は、今、何をしているのだろう。「安倍逃亡」で、すっかり酔いが醒め、今頃は平常心を取り戻しあげく、恥ずかしくなり、安倍前首相同様に、家に引きこもって謹慎でもしているのだろうか。と、思いきや、なんと未だに夢から覚めず、「安倍は悪くない。悪いのは安倍ではなく、マスコミと年金にしか興味のない国民の方だ・・・」とか、ほざいているらしい。中でも、未だに目の覚めない典型的な夢遊病の重症患者が、中西輝政京大教授と桜井よしこ嬢(笑)のようだ。中西は「諸君」最新号に、恥ずかしげもなくというか、性懲りもなくというか、堂々と、「安倍擁護論」を書いているらしい、「私は安倍首相の主導する多くの政治は素晴らしいと思い強く支持したし、今も安倍晋三という政治家は日本にとって失うべからざる立派な政治家だと思っている。」と。ことここにいたっても、まだこんな調子である。さらにこんなことまで言っているらしい、「いま日本の保守は『安倍晋三』を総括しないと、大げさに言えば、立ち上がれない状況にあり」「これは第三の敗戦ではないのか」と。中西君、頭は大丈夫かね? 入院しなければならないのは、る君のほうではないのかね? と冗談の一つでも言いたくなる今日、この頃である。一方の「安倍粘着ブレーン」の筆頭株、桜井よしこ嬢は、こんなことを…、「安倍氏の辞任により、日本の政治は大きく後退するだろう。保守の基盤は深刻に毀損され…」と。いずれにしろ、この自称、保守論壇の「星」たちは、相変わらず、自分たちが保守論壇の中心であり、自分たちの支持する安倍首相は間違っていなかった、間違っているのは安倍首相を批判し罵倒して首相の座から引き摺り下ろしたマスコミと国民の方だと言いたいらしい。まことにオメデタイ。むろん、僕に言わせれば、「安倍辞任によって日本の政治が後退したり、保守の基盤が毀損される」のではない。小泉政権やその後継としての安倍政権の登場で、「日本の政治は後退し、保守の基盤は毀損された…」のであって、安倍辞任によって、やっと元の件是なんな日本の政治を取り戻し、保守の基盤は毀損されるどころか、あらためて保守再生の入り口に立ち戻った、と言うべきなのだ。要するに、安倍辞任に伴って、「人を見る目のない凡愚で、頓珍漢なブレーン」であったことが実証された中西センセーや桜井センセーが、保守論壇とやらから、さっさと消えてくれればいいだけのことである。彼らが、保守論壇に居座り続けること自体が、「日本政治の後退」であり、「保守基盤の毀損」そのものである。さて、これら一連の「安倍辞任」と「保守論壇の右往左往」について、毎日新聞が、こんなことを書いているらしい。僕にはこちらの方がマトモだと思われるので、ご参考までに引用しておこう。「保守論壇の『安倍』論をかいつまんで言えば、『戦後レジームからの脱却』路線はまったく正しかったが、徹底しなかったからだめだったということになる。あるいは、その路線を快く思わない一部のマスコミが年金や金の問題を騒ぎ立て、引きずりおろしたのが悪いとも。これをひいきのの引き倒しと言う。……みなさんが煽り続けた『脱却路線』を、もし国民の大多数が支持していたのならスキャンダルも吹き飛ばしていたのではなかろうか……」。うーん、毎日新聞に、ここまで見透かされるようでは、保守論壇の「流れ星」たちも、どんなに足掻いても、やはりオシマイだろうな。もう保守論壇で、語るに値する論客は、安倍政権の前に、満身創痍となりながらも一人で立ちはだかり、孤軍奮闘した西尾幹二しかいない。西尾幹二以外の保守論客は、すべてクズだった、ということだな。