文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

毎日新聞・岩見隆夫記者が「クライン孝子」のガセネタに釣られて、騙されたらしい。

毎日新聞岩見隆夫記者が、大真面目に、ドイツ在住が唯一の自慢の、あの「クライン孝子」センセイ(笑)の怪しい欧米情報を引用して、安部政権は、日本国内の評価とは逆に、欧米で高い評価を受けていると、新聞のコラム(「近聞遠見」)で書いたらしい。言うまでもなく、クライン情報は、なんの根拠もないシロモノ……。毎日新聞岩見隆夫記者の見識なんて、最初からいい加減なものだとわかつてはいるが、それにしても、「従軍慰安婦の強制連行はなかった……」発言をめぐって欧米から激しい安倍批判が沸き起こっている最中に、世間知らずというか、大胆と言うか、単なるバカというか、札付きのインチキ・ジャーナリストの発言を引用して、安倍擁護論を展開するとは、大したものである。毎日新聞岩見隆夫記者も、参議院選挙にでも、もちろん自民党から出るつもりかな(笑)。

2007年4月2日
<近聞遠見> 
外は一目置いている=岩見隆夫

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 世論調査の結果をみると、世間は安倍の指導力にも懐疑的だ。頼りない首相と映っている。だが、外の目は違う。
 ドイツの有力紙「フランクフルター・アルゲマイネ」は、先に安倍が訪独した際、
 <安倍首相は、内政では戦後最大のがんだった教育基本法の改正にメスを入れ、国際テロや極東アジアにおける緊張の高まりに備え、防衛庁の「省」への格上げを実現した。
 また、日本でもようやく現代の凄惨(せいさん)な情報戦に対応し、日本版NSC(国家安全保障会議)創設の筋道をつけた>
 などと報じ、外交面の活動も高く評価した。
 ドイツ在住のノンフィクション作家、クライン孝子は、そうした現地の空気を、
 <(安倍は)日本の新しい国家像を内外に印象づけたわけで、欧州では戦後の日本の首相としては珍しく大胆かつ斬新な政治家として、一目置かれている>
 と伝えている。(17日付「産経新聞」)
 また、パリでは、防衛省に昇格した時の式典あいさつで、安倍がドゴール将軍(第5共和制初代大統領)の著書「剣の刃」の一節を引用し、
 「難局に立ち向かう精神力の人は、自分だけを頼みとする……」
 と述べたことがニュースになり、すこぶる評判がいいという。
 アジアでも、ある財界首脳が、
 「昨年秋の安倍訪中の前と後に中国に行ったが、空気がガラリと変わっていた。幹部が口をそろえて安倍さんを激賞する。こんなに急変するものかとびっくりしましたね」
 と言うように、安倍は人気者だ。
 米国とは慰安婦問題がこじれているが、4月の安倍訪米で調整されるだろう。同盟関係が揺らぐようなテーマではない。
 総じて、国際社会での安倍は、好感度が高い。しかし、国内の目は厳しく、とても一目など置かれていない。この温度差は何に起因するのだろうか。かつて、
 <戦後、一国民主主義、一国繁栄主義、一国平和主義、まとめて一国とじこもり主義が日本の常識の主流であった>
 と批判したのは、政治学者の京極純一である。いまもその性癖が日本の世論を偏狭にしていないか。そろそろ、とじこもりでなく<世界のなかの日本>に開眼する時ではないか。(敬称略)

 しばらく休載します。外の空気を吸って、<世界と日本>を考えてみるつもりです。