文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「つくる会」会長・小林正を、即刻、追放せよ。

しばらく話題にならなかったので忘れていたが、「つくる会」周辺で、新しい、且つ怪しい動きが始まっているようだ。噂によると、「つくる会」教科書の版元である「扶桑社」の主導で、西尾幹二引退後の新「つくる会」と、「つくる会」騒動の引き金を引いた八木一派(「教育再生機構」?)とを統一、合併させ、「新しい歴史教科書」の新装版を扶桑社の権限の元に発行しようと画策しているらしい。そして具体的ナ動きとしては、合併統一を前提に、「つくる会」「八木一派」「扶桑社」による「三社協議」なるものが行われているようだ。なんと、「つくる会」会長の小林正は、会員等には何の報告も無いままに、会長の独断で、これに積極的に参加しているらしい。アホか、こいつは。即刻、小林を、「つくる会」会長職から追放し、除名すべきだろう。それにしても、何故、今、扶桑社が、「三者協議」なるものを画策しているのか。それは、一言で言うと、このままの状態では、扶桑社が、「新しい歴史教科書」を編集、発行、発売できないからだろう。これはどういうことかというと、編集権が「つくる会」にあるからであり、「つくる会」騒動を裏から画策し支援してきた扶桑社といえどもそれに口出しできない立場にあるからだ。そこで、「つくる会」会長をあらゆる手法を駆使して洗脳し、仲間に抱き込んで、その上で「つくる会」を吸収合併しようというわけだ。そうすれば、扶桑社主導で、「新しい歴史教科書」の新装改訂版が容易に出せるというわけだ。さて、今さら、言うまでも無く、今の扶桑社・産経グループは、小泉・安倍一派の「別働部隊」である。むろん、八木や八木一派もその手先であり、言わば権力のイヌたちである。ここまでならまだいいだろう。しかし、この一派の背後にうごめいているのは、従米売国派の岡崎久彦等の売国奴連中である。岡崎とは、靖国神社の展示説明文を、アメリカのブッシュ政権の意向を受けて、「反米調から親米従米調に」書き換えさせた張本人である。ということは、要するに、「つくる会」騒動そのものが、「つくる会」という保守運動体を、「反米路線から親米従米路線」へ転換させ、組織ごとに横取りしようとする乗っ取り工作の一環だったということだ。そしてその最後の仕上げが、今、「つくる会」の吸収合併工作として、始まろうとしているということだ。なんの哲学や理念も無いままに会長になり、今や、従米売国一派という敵勢力の囁きに洗脳され、「つくる会」や会員を裏切りつつ、従米売国一派の手先になって動いているのが、「つくる会」会長・小林正であるというわけだ。この裏切り者を、即刻、「つくる会」から追放し、除名しない限り、「つくる会」に未来はない。






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西尾幹二ブログから…。
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西尾幹二のインターネット日録
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私の感想
 石原隆夫さんの誠の志のあるご文章を三篇拝読した。御礼とともに、若干の感想を述べたい。



 「つくる会」の新しい理事諸氏は会の10年の歩みをよく知らないし、内紛の経緯もはっきりは分っていないようだ。他方、旧い理事諸氏は分っているけれど、福地惇氏を除いてみんな事なかれの態度で、自分の保身に走るかあるいは無責任に欠席しつづけているらしい。この侭いけばこの会は草刈り場になり、会員組織とそうバカにならない額の預貯金が誰かに攫われてしまうのも時間の問題だろう。

 この間、故坂本多加雄さんの献身ぶりを思い出して掲示したばかりだが、初版本が出た平成13年、みんな頑張ったあのころが「つくる会」のピークだった。誠の志を持つ人が「つくる会」の役員であるべきなのに、どうも伝えられる限りでは今の役員諸氏はありふれた日本人社会の縮図、官僚社会の悪い処ばかりを集めたような無気力な集団に見える。

 石原さんの三つの報告文を読むと、あちこちに見られる今の日本の悲しい社会現象を見ているときと同質のものを感じ、心が沈む。まことに残念で、やるせない。

  この中で次の六行が眼目だと思った。


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 「この経緯から見えてくるのは、扶桑社から突きつけられた三条件は、理事達はそれほど深刻な問題と受け取っていないのではないかと言うことです。それとも見たくないものを突きつけられて見ない振りをしているのか、扶桑社がそんな事を出来るわけがないと高を括っているのか、教科書の内容や理念が変わっても教科書が出せれば良いと扶桑社に魂を売り渡す覚悟をしたのか、何とも判断がつきませんが、私たちの期待を見事に裏切った事は間違いありません。」
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 私は以上の中で一番真実に近いのは最後のケース、「教科書の内容や理念が変わっても教科書が出せれば良いと扶桑社に魂を売り渡す覚悟をした」ケースが今の理事会と過半の会員諸氏の判断なのではないかと考えている。べつに「覚悟」なんかしていないとは思うが、「教科書が出せれば良い」「内容は他の七社よりましならばいい」くらいに漠然と考えているのではないだろうか。

 その証拠に、理事会でも評議会でも会報でも、歴史観論争ひとつ起こっていない。安倍総理の変心ぶりで従軍慰安婦強制連行否定説も、南京事件まぼろし論もあぶなくなっている。米国が正しかったとする太平洋戦争史観への疑問ひとつ検定を通らない時代がひょっとすると足早に近づいているのかもしれないのに、そういうことを互いに議論しようという空気さえ今の「つくる会」の周辺には生じていない。

 熱情を失ったも抜けの殻のような意味のない団体になりかかっている。

 扶桑社が「教科書編集権は扶桑社にあり、それには執筆者選択権も含まれる」と言っているそうだが、それなら次に出す教科書は「つくる会」の教科書とはもう言えない。

 「つくる会」は理念を持って始まった運動団体であった。その理念の下で教科書をつくる。だから内容をきめる編集権も、執筆者選択権も会にある。そして、出版社はその結果を全面的に受け入れる。そういう契約で10年以上やってきたはずだ。

 今その前提をくつがえすというのなら、「つくる会」は扶桑社から離れ、別の出版社を捜す以外に「理念」を活かす方法はまったくないことになる。

 こんなことはみんな知っているのに今にわかに知らない振りをしているのである。古参の理事で今なお会に残留している藤岡、高森両先生は百もご承知のことであろう。今どうお考えになっているのか。会員の前にご所信を披瀝なさる義務がおありではないか。

 みんなでだんまりをきめこみ――各自が自分だけいい形で残りたいと思って――その場その場をやりすごしてたゞ時間稼ぎをしているようにみえるので、石原氏に理事会は今や「当事者能力がない」と断案を下されたのである。

 妙な連想だが、私の目にも今の「つくる会」は日韓併合前の朝鮮半島のようにみえる。外国(注・外の団体)に魂を売っている人がトップにおさまって、自己管理能力をすでに失っているのである。

 「教科書編集権」と「執筆者選択権」は「つくる会」という戦後最大の保守運動にとっての生命線である。これを捨てれば自らを失うことになるのである。

 扶桑社と産経は今まで良き協力者であったが、この生命線をこれからは守らないというのなら、おさらばするしかないだろう。

 教科書を出してくれる出版社は平成8年に三社と交渉し、三番目が扶桑社=産経であった。このことを事情を知らない新しい理事諸氏におしらせしておく。二社が承諾し、一社がことわった。

 だから「つくる会」と扶桑社=産経とは無期限では決してない契約関係にあり、運命共同体ではない。お互いにフリーに考えるべき立場にある。

 歴史観において中国にもアメリカにもブレない、出版社とも対等に交渉できる見識ある会長がほしい。主体性あるしっかりした人物、日和見主義者ではない強固な意見の持主、政治屋ではなく日本の歴史に関する理想を掲げることが出来る人――そういう人材こそが指導性あるリーダーにならなければいけない。理事の中にそういう人物はいるのである。

 私は今の「つくる会」の現状にひどく失望しているが、絶望はしていない。

 今や風前の灯ともいえる現状だが、灯は消えないだろう。それを祈りつつ、年の瀬に、一年を思い出し、感想の一端を述べておく

■「つくる会」ブログから・・・。
http://www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news/news_061130.htm

平成18(2006)年11月30日


教科書の継続発行を扶桑社に文書で申し入れ




 
   平成22年度から使用することになる中学校『歴史教科書』『公民教科書』の継続発行に関し、理事会は7月の総会以後今日までその扱いについて協議を続けてまいりましたが、去る11月21日、扶桑社に対し正式に文書で申し入れを行いました。
 これに関し扶桑社は、検討の上、文書で回答することを約束しておりますので、理事会としてはこの回答を待って「つくる会」としての方針を決定することとしています。
 申し入れ文書は次の通りです。



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                  平成18年11月21日
株式会社扶桑社社長  片桐 松樹 殿

     新しい歴史教科書をつくる会


『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』の継続発行に関する申し入れ書

謹啓
 秋冷の候、貴職におかれましてはご繁忙のことと拝察申し上げます。表記の教科書発行に関しては、大変お世話になっております。
さて、昨年の採択では残念ながら十分な実績を挙げることは出来ませんでしたが、採択結果が判明した直後に貴社が次回採択に向けて教科書発行を継続する旨表明されたこと(産経新聞、平成17年9月3日付け)は感謝にたえません。
 これらの教科書はつくる会と扶桑社との協力によって作り上げたものであり、教科書への評価は極めて高く、他社の教科書にも多大な影響を与え、教育界に貢献したことは広く認められております。このような経過を踏まえて、次期教科書の発行は現行教科書に必要最小限の改善を加え、採択を伸ばして教育界の期待に応える必要があると考えます。
 以下、教科書発行をめぐる現在の状況について3点に要約してお伝えいたしますので、これらの諸点をご勘案の上、この時期に改めて当会との協力関係のもとに『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』の継続発行の方針をお示しいただくようお願い申し上げます。

 (1)昨年の採択では低い採択率に終わったとはいえ、採択された全国の中学校で、この4月から、5、000人の中学生が『新しい歴史教科書』で、2,500人の中学生が『新しい公民教科書』で学んでおり、4年間ではのべ3万人の生徒が扶桑社の教科書で授業を受けることになります。幸い教科書は使用者からはご好評をいただいており、扶桑社の教科書ならではの新しい授業実践が次々と現れております。その教科書を継続発行することは、採択していただいた地区の学校や私立の採択校に対する社会的責任であると考えます。
 
(2)昨年の採択において、教育委員会の最終投票で二対三で惜敗した地区が多数あったことが判明しております。結果に結びつかなかったとはいえ、二度の採択でここまでたどり着いたことは、閉鎖的な教科書業界の従来の構図からは想像も出来ない地殻変動ともいうべき変化です。扶桑社の教科書への理解を深め、次回は採択することを約束してくださる私学関係者も現れております。つくる会の各地の会員も、次回こそ「三度目の正直を」として新たな決意で活動に取り組んでおります。

 (3)安倍政権が発足しましたが、政府が最重要課題として位置づけている教育基本法の改正を見越して、他の教科書会社は現行の学習指導要領にもある「我が国の歴史に対する愛情を深め」る歴史教科書づくりに路線をシフトしつつあります。これは他社の教科書も扶桑社版教科書に近い内容に変化していく可能性を意味し、私どもの仕事の先見性を証明するものです。このような追い風のなかで、当会と教科書への期待は高まっております。

 以上のような次第ですので、これらの状況を何卒ご賢察の上、肯定的なご回答を書面にて賜りますようお願い申し上げます。
 なお、添付した歴史、公民それぞれの教科書の執筆者案は、上述の通り現行の教科書を基本的に変更する必要がないという立場から、ほぼ現行通りのリストとなっております。
 貴社の益々のご繁栄を祈りつつ筆を置きます。
                                        敬具
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