文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

新刊『小林秀雄の「批評」がよくわかる本』(「秀和システム」刊)が、2月に刊行予定です。


秀和システム」というネット系出版社から、「ポケット版『よくわかる』シリーズ」の一冊として、『小林秀雄の「批評」がよくわかる本』が刊行されることになった。本屋の店頭に並ぶのは2月末ごろの予定だ。僕にとつては久しぶりの著書なのでなんとなく楽しみだ。中身は、日大芸術学部の「日本文芸史」や「エッセイ研究」の時間等で講義してきた「小林秀雄の批評」に関するものをまとめたもので、言わば「批評家小林秀雄入門」とでも呼ぶべき本である。僕は、小林秀雄こそ日本近代を代表する思想家であり哲学者だと考えているが、最近の若い人たちには、小林秀雄の魅力やその思想の精髄がなかなか理解できないようである。江藤淳、秋山駿、柄谷行人も、小林秀雄の影響下にあると説明してもピンと来ないらしい。僕が、わかりやすく分解して解説すると一時的には「わかる」らしいが、小林秀雄のテクストそのものを直接に読み始めると「わからなくなる」らしい。最近の若者たちは、「わかる本」しか読まない傾向があり、難解で晦渋な本は敬遠する。その結果、思考力が落ち、平板で薄っぺらな思考しか出来はなくなっている。「分からない本は読まない」ということも、それはそれでいいことかもしれないが、しかし小説家や批評家、あるいは思想家を目指すなら、やはり小林秀雄ぐらいは読みこなしてほしいと思う。というわけで、小林秀雄のテクストや生活に密着して、「小林秀雄のすべて」を、小林秀雄をまだ読んだことのない初心者や、あるいはかつて小林秀雄を読んだが良くわからなかったと思っている人たちにも理解できるように、分かりやすく解説・説明していこうとするものだ。このシリーズでは、僕の本以外に、『丸山真男の思想がわかる本』や『柳田國男民俗学がわかる本』『西田幾多郎の哲学がわかる本』等が刊行されるようだ。






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