文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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野田真理子さん「歴史文学賞」を受賞。


僕が講師を勤めている朝日カルチャーセンターの「小説入門講座」(立川ルミネ9F)の生徒から、先日、「歴史文学賞」(「新人物往来社」)を授賞したという知らせがあった。予選を通過したことは知っていたが、まさか最終選考に残り、授賞まで行くとは思っていてなかったので、ちょっと驚いた。カルチャーセンターで10年近く教えてきたが、僕の教室は、ウイークデーの昼間であり、場所も立川ということで、生徒たちも高齢の人が多く、それほど期待はしていなかった。こういう結果になったことは予想外とはいえ、やはり自分のことのように嬉しい。しかも、なんと賞金が200万円…。作品の内容は、織田信長の叔母で、織田一族と武田一族の間の戦略拠点にある岩村城の「女城主」の物語。政略結婚、死別、再婚を繰り返すという数奇な運命を強いられる「戦国の女」の物語だ。さて、その「歴史文学賞」(「新人物往来社」)を授賞したのは野田真理子さん。岩手県盛岡一高から立教大学英文科、同大学院修了の才媛だ。まだ56才だから、歴史小説の分野では、これからでも充分に活躍できるだろう。わが教室からは、今年は、「講談社児童文学賞」を受賞した菅野雪虫さんに続いて二人目の「作家誕生」だ。




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http://www.jinbutsu.jp/rekishi-bungakusho/index.htm
第31回「歴史文学賞」発表!


新人物往来社主催・平成18年度「第31回歴史文学賞」が決定しました。
今年度の受賞作は、野田真理子著の「孤軍の城」が選考委員(早乙女貢氏・津本陽氏・伊藤桂一氏)により選ばれ賞金200万円及び副賞が贈られました。

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受賞作
「孤軍の城」(こぐんのしろ) 野田真理子(ノダ・マリコ


 元亀三年(一五七二)十二月、東美濃岩村城は、武田信玄麾下の将・秋山信友の大軍に包囲されていた。城主の遠山景任はすでに亡く、織田信長の叔母で寡婦となったおつやの方が女城主として信長の援軍を頼みに籠城を続けていた。しかし、信長の援軍は来ず、城兵や領民の安堵と引き換えに岩村城は開城、おつやの方は信長の了承を得ないで秋山信友の妻となった。新城主になった信友は岩村の立て直しに力を注ぎ、そんな信友におつやの方も次第に打ち解けていく。しかし、天正元年(一五七三)四月、信玄が没すると、状況は一変し、岩村城は信長軍に包囲される。おつやの方は、夫信友に殉じる覚悟を決めていた……。
 武田方と織田方の間に挟まれ、時代の運命に翻弄された戦国女性の苛烈な生き様を活写する異色の力作!


<野田真理子>
本名:同じ。56歳。
昭和24年、岩手県盛岡市生まれ。
岩手県立盛岡第一高等学校卒。
立教大学文学部卒。同大学大学院修士課程修了。
東京都あきるの市在住。