文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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竹中スキャンダルが爆裂するか?


突然の議員辞職が話題になっている竹中平蔵周辺に金銭スキャンダルが持ち上がっているようだ。一説では、警察・検察当局と「裏取引」疑惑も持ち上がっている。議員辞職と不逮捕。


敲けば埃が出るのは政治家の常だが、竹中平蔵の場合はそれだけでおさまりそうもない。今日発売の「週刊ポスト」は「裏献金パーティ疑惑」を大々的に報じているが、それは、竹中が蓄えている資金量から推測するならば、ほんの一部に過ぎないだろう。


竹中平蔵スキャンダルの本丸はもっと別のところにあるだろう。ホリエモン村上ファンド・ルートの疑惑、あるいはトヨタ会長で経団連会長奥田某をめぐる「ミサワホーム疑惑」、あるいはオリックス宮内義彦ルートの疑惑・・・を初めとして、竹中平蔵スキャンダルは何処で爆裂するかわからない。


いずれにしろ、竹中平蔵の「やり逃げ」(笑)を許してはならない。


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竹中、突然の議員辞職表明…金銭スキャンダル原因か


15日午前の閣議。この後、竹中総務相(左)は小泉首相(右)に議員辞職を伝えた=首相官邸


 竹中平蔵総務相(55)は15日午前、総務省内で記者会見を開き、小泉内閣の退陣と同時に参院議員を辞職することを明らかにした。「(自分の)役割は首相を支えることだった」などと説明したが、任期を4年残しての議員辞職には批判もあるうえ、あす16日発売の週刊誌で金銭スキャンダルが報じられていることが分かった。

 「総務大臣の職を辞する際、参院議員の職も辞したい。小泉内閣の終焉(しゅうえん)をもって、政治の世界での私の役割は終わった」

 記者会見でこう語った竹中氏。この直前、官邸で小泉純一郎首相(64)に会い、辞職意向を伝えた。今後は「慶応大学にできるシンクタンクの代表」「ハーバード大教授」などの説があるが、なぜか顔は青ざめていた。

 竹中氏は慶大教授などを経て、平成13年の小泉内閣発足と同時に経済財政担当相に就任。翌14年には金融担当相も兼務して「金融再生プログラム」を作成し、不良債権問題の解決にあたった。

 16年の参院選自民党比例代表で立候補し、約72万票でトップ当選。その後、経済財政・郵政担当相となり、17年の郵政民営化法を成立させた。同年10月からは総務相を務めている。

 この5年5カ月、「小泉構造改革」の牽引(けんいん)役として影響力を発揮してきただけに、任期途中での議員辞職には批判や疑問が多く、竹中氏自身、「投票してくれた有権者には申し訳ない。民間人として改革を支えていく」と釈明したが、実は16日発売の週刊ポスト(9月29日号)が「裏献金パーティー疑惑」を報じている。

 同誌によると、竹中平蔵経済塾などが主宰するパーティーが昨年4回開催されたが、これが今月8日に公表された政治資金収支報告書に記載されていないというのだ。

 総務相は政治資金の所管大臣。竹中事務所に、記事と議員辞職の関係について聞くと、「詳しく分かるものが席を外している。お答えできない」と話すだけだった。

ZAKZAK 2006/09/15

●これが竹中平蔵の現在かな?

http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/index.html
小泉純一郎支えた「司令塔」竹中平蔵の去就(8/28)


次期政権の経済政策「指令塔」は誰か。竹中総務相の去就とともに目が離せない
 「私は5年半、(閣僚を)務めてきた。1人が長くやるのは民主主義社会では良くない」。総務相竹中平蔵は8月21日、TBSのラジオ番組に出演し、首相・小泉純一郎の退任に伴う自らの去就に言及した。忠誠を尽くし抜いた小泉の退場と共に身を引く姿勢を色濃くにじませる。9月下旬に新首相に就くことが確実な官房長官安倍晋三は人事構想を胸の奥深く秘めたままだが、竹中の去就とマクロ経済政策の「司令塔」が誰になるかは注目の的だ。

郵政民営化にメド、財務省に帰還した秘書官

 8月7日、財務省は1件の人事を発令した。02年9月の竹中の金融担当相就任以来、秘書官として4年近くも仕えてきた井上裕之(昭和61年入省)を古巣の主計局に戻し、補助金などの調整を担当する主計企画官に据えたのだ。同省は既に7月28日、事務次官・藤井秀人以下の新体制に移行しており、予算編成に携わる主計局でもほとんどの人事は発令済み。井上の異動だけが遅れ気味となった。そこには竹中と財務省のいわく言い難い関係を物語る経緯があった。


 竹中は2日から9日まで米国を訪問した。ワシントン、ニューヨークから南部のアトランタ、西海岸のシリコンバレーまで駆け回った。竹中は今夏、井上を「親元」に戻すことで既に財務省と折り合っていたが、訪米には「最後の奉公」として随行を求めた。そうは言っても、財務省もお盆休み明けまでは異動を待てない。結局、井上はワシントンでの竹中と米連邦準備理事会(FRB)議長・ベン・バーナンキの会談など東海岸の公務日程を終えるまで同行。ここで竹中と別れ、急ぎ帰国して辞令を受けた。


 竹中と財務省小泉政権下で時につかの間の「国共合作」を組み、しばしば激しい「内戦」を演じてきた両者の微妙な関係を井上は身をもって象徴する存在だ。政権発足当初、経済財政担当相だった竹中は金融相を兼務すると、抜本的な不良債権処理に乗り出した。この時、金融庁にいて秘書官についたのが井上だ。竹中は当初は金融庁当局を敵視し、激しく衝突。その後、りそな銀行危機への対応などを経て次第に関係は落ち着くが、井上は最前線で常に摩擦の緩和に腐心、パイプ役となった。


 04年9月、金融相を外れて郵政民営化担当相に就いた竹中は井上をそのまま郵政改革担当の秘書官として留め置いた。竹中は役所に依存せず、限られた信頼できる身内スタッフだけで政策を立案する手法を好む。井上は郵政改革に立ち向かう「竹中チーム」の不可欠な一員と認知されたのだ。現政権では小泉の秘書官こそ財務省出身の丹呉泰健(49年)らが5年を超す在任となったが、閣僚の秘書官では4年近くも務めた井上が文句なしの最長不倒記録だ。


 その井上をこの段階で竹中が手放した。郵政民営化の準備企画会社、日本郵政は既に民営化各社の首脳人事や経営計画の骨格などを決め、一定のレールを敷き終えたところだ。井上の入省年次とポストを考えれば、この夏の定例人事で戻すのが潮時という判断が財務省にはあった。ただ、そうした財務省の意向を受け入れた竹中の側には9月の小泉退任をにらみ、自らの「身辺整理」を始めたと言う雰囲気も漂う。


少数精鋭のスタッフ、延び切った兵站ライン

 「ここはいったん、身を引いた方がいい。米国で最新の経済学でも吸収して充電し、再び政策決定の最前線に戻るほうがいい。参院議員も辞めていいくらいだ」。竹中をよく知る関係者の1人はこう漏らす。理由の1つは5年半、走り続けてきた竹中の兵站ラインは延び切っており、このまま突き進めば持たなくなると言う危機感だ。少数精鋭の「竹中チーム」は内部の結束が堅く、戦闘力が高い半面、「勤続疲労」や限界も目立ち始めたというわけだ。


 「竹中チーム」の中核スタッフは政務秘書官岸博幸経済産業省61年)と総務省参事官・高橋洋一財務省55年)の2人だ。岸はIT業界ではコンテンツ・プロデューサーとして知られ、ミュージシャンの坂本龍一とも親交がある異色の人材。竹中が放送・通信の融合問題に切り込んだ背景には岸の存在感が大きい。高橋は財政投融資に精通するほか、プリンストン大学バーナンキの薫陶も受けたという金融学徒。郵政民営化や政策金融改革の理論的支柱となってきた。


 「竹中チーム」の特徴は小泉さながら、次々に新たな「抵抗勢力」に立ち向かう構図を作り出し、戦ってみせることで改革に弾みをつける手法だ。不良債権処理では大手銀行。郵政民営化では自民党郵政族特定郵便局長。昨年9月の衆院選後は財務省を筆頭に、日銀まで含めた「霞が関・エリート官僚機構」全体を新たな「抵抗勢力」と位置づけた。政策金融改革や公務員の定員・総人件費削減はその象徴だ。岸や高橋は親元である経産省財務省に弓を引く形で竹中を支えてまい進してきた。


 攻防は今も続く。「竹中チーム」は少数精鋭で情報統制も厳格な「革命家集団」の風情をたたえる。永田町や霞が関を相手にゲリラ戦を重ねて政策決定で戦果を上げてきた。ただ、この「革命家集団」を包囲する敵はますます増殖するようにすら見える。どんな「革命家集団」もややもすれば支援の輪を広げるより、排除の論理に傾きがちなのが常。「竹中チーム」も長く共闘してきた経済財政諮問会議の民間議員、大阪大教授・本間正明らと歳出歳入一体改革でぶつかり、すっかり溝ができてしまった。


中川秀直や牛尾は後押し、安倍の胸中は?

 援軍がいないわけではない。昨秋以降、竹中は自民党政調会長中川秀直と「反消費税増税」を旗印に連携を深めてきた。早期のデフレ脱却や思い切った歳出削減、政府の資産売却などを優先課題として取り組み、4%程度の名目成長率を実現して税の自然増収による財政再建を進める――この中川の「上げ潮政策」の源流は竹中にある。諮問会議の民間議員でもウシオ電機会長・牛尾治朗経済同友会人脈を代表する形で一貫して竹中を援護射撃してきた。


 中川は安倍擁立に中心的な役割を果たしている。牛尾は長女を安倍の実兄・寛信に嫁がせ、姻戚関係にもある。中川は森派の、牛尾は経済界の「安倍後見人」として新政権でも影響力を保持するのは間違いない。この2人が安倍に竹中を引き続き経済運営の「司令塔」として登用するよう進言しても不思議はない。実際、安倍もデフレ脱却や歳出削減を重視する立場で、積極成長路線にもシンパシーを示す。竹中もポスト小泉が「麻垣康三」と言われた中で、一貫して親安倍の姿勢をにじませてきた。


 ただ、安倍が竹中を登用するには難問がいくつもある。


 竹中が経済テクノクラートの能力を最大限に発揮できたのは小泉の強力な後ろ盾、マクロ政策を取り仕切る権限、そして諮問会議という道具立ての「3点セット」があったからだ。金融相当時、嵐のような竹中バッシングの中で、小泉は連日、竹中を「絶対に譲るな。信じた通りにやれ」と電話で励まし続けた。竹中は人知れず涙することすらあったと言う。中川と手を組み、安倍とも誼(よしみ)を通じてきたとは言え、ある関係者は「小泉に忠誠を尽くしてきた次元とはわけが違う。同じとは行かない」と間合いの差を指摘する。


 ここ数カ月、「竹中のパワーダウン」が喧伝されてきた。その最大の要因の1つは諮問会議を切り回す経済財政担当相ポストを離れたことにある。マクロ経済政策を動かす権限を失ってしまったからだ。日銀が量的緩和政策を解除し、続いてゼロ金利政策を解除しても、竹中は一貫して懐疑的な発言を続けているものの、介入するすべがないのだ。財政再建をにらむ歳出歳入一体改革も後任の与謝野馨が主導権を握り、竹中をカヤの外に置いて中川と話をつける形で「骨太の方針」を策定した。


 安倍が竹中を使うなら、やはり経済財政担当相でこそ最大限の能力を発揮しうる。ただ、それは「小泉継承」を名乗るにふさわしい半面、「小泉亜流」に甘んじる選択にもなりかねない。安倍陣営では「全員野球」の名の下に早くも新政権の人事に目を血走らせている。「論功行賞の余裕などない」(中川)との声もかき消されがちで、竹中登用に賛同する声は極めて小さい。では、経済政策の「司令塔」を誰に託すのか。安保・外交や教育改革を歯切れ良く政権構想に掲げる安倍の隠れた悩みかも知れない。(敬称略)

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