文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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木村剛とは何者か。『金融維新』を読みながら安酒を・・・2


木村剛と言えば、テレビの報道関係の経済番組によく出てきて、日本経済の古い体質とその病根をえぐり出し、そして日本経済の復活と展望を威勢良くまくし立てるエコノミスト、あるいはコンサルタントとして知られている。しかし、それは表向きの顔で、実は木村剛木村剛たらしめているもっとも重要な顔は、政治権力との癒着関係である。具体的に言えば、小泉政権中枢部にいる竹中平蔵との親密な人間関係とそれに付随する人脈である。つまり木村の発言が注目されてきたのは、彼の発言や思想が、財政金融政策を牛耳っている竹中平蔵等を通じて、政府の行政や金融政策にそのまま反映されていくからである。つまり木村剛が一種の「政商」だからである。


木村がマスコミで騒がれるようになったきっかけは、2002年秋、金融庁金融分野緊急対応戦略プロジェクトチームのメンバーとなり、いわゆる「金融再生プログラム」策定に携わるようになった頃からである。むろん、木村を推薦したのは竹中平蔵だろう。そして木村は、一民間人の経営コンサルタントでありながら、竹中の片腕として、あるいは竹中プランのプランナーとして、政府の金融政策をも左右する存在となったのである。そして、木村は、一方で、一民間人の経営コンサルタントとして、小泉改革や竹中プランの「宣伝係」としての役割を担いつつ、テレビを初めとするマスコミに頻繁に登場するようになったのである。


マスコミにおける木村剛の役割は小泉改革と竹中プランの宣伝であった。だから、木村剛がテレビ番組などや数多くの著書で主張する健全な資本主義の持つべき公明正大な「モラルとルール」は、噴飯物以外の何物でもない。彼こそが、まさにこの時代において、その資本主義の「モラルとルール」を踏み躙り、政治権力に接近し、権力中枢との個人的な人脈を駆使してのし上がってきた「妖怪」だったからである。要するに、木村剛とは、竹中平蔵との癒着構造の上で咲いた徒花なのである。木村剛に語るに値する経済理論や経済政策があるとは思えない。木村には、竹中ら政府関係者との人脈や癒着関係を断ち切られたら、もはや存在する余地はないだろう。


この『金融維新』という本を読みながら、改めてそういうことを考えている僕だった…。