文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

八木秀次会長は、何故、辞任したのか? その政治的背景は何なのか?

新しい歴史教科書をつくる会」で内紛があると聞いていたが、その中身が何なのかについては、門外漢なのでよくわからなかつた。名誉会長に就任したばかりの西尾幹二先生が、今年1月17日、突然辞任したと言う情報が流れたが、それについても、そこに何らかの政治的背景があるのかないのか、わからなかった。僕などは、八木氏と西尾氏の間に政治的、思想的対立でもあったのかと勝手に推測していたくらいだから、無知蒙昧もいいところだろう。むろん、西尾氏辞任の直前の昨年末に、同じ場所で、八木、西尾両氏と同席して、両氏がきわめて強い信頼関係で結ばれているらしいと見ていたので、まさかとはおもっていたが。今朝の産経新聞によると、西尾氏に続いて八木会長も辞任と出ている。まさに「驚天動地」というほかはない。この言葉は、いまや「驚天動地の人」として話題の人物となった永田ヒサヤス君の専売ではないらしい。というわけで、西尾幹二氏に代わって新会長に就任してそれほど時間がたっていないにもかかわらず、八木秀次氏が引責辞任し、「種子島」とう怪しい人物が会長に就任したらしい。種子島ナニガシは、川崎重工出身のサラリーマンで、bmw東京社長やbmwジャパン特別顧問を経て、平成11年、つくる会理事に、13年に副会長、昨年から再び理事を勤めていた人物らしい。僕などにはどうでもいい話だが、それにしても、何故、こういう社会的にも論壇的にもまつたく無名の怪しい人物が登場しくるのか理解に苦しむ。そこで、八木氏引責辞任の理由だが、産経新聞によると、「八木会長が昨年12月に理事会の了承を得ずに中国を訪問し、知識人と歴史認識について論争したことを問題視する意見が多数を占め、辞任を迫られた」ということらしい。これに対して、八木氏は、「つくる会幹部の外国訪問はこれまでも前例があり、納得がいかない」と話しているという。正直に言わせてもらいならば、「もう滅茶苦茶でござりまする…(笑)」である。新しい副会長と事務局長も近く選任だと。ということは、新しく就任した副会長も辞任なのかな。ということは、この八木会長辞任劇は、一種の組織乗っ取りのクーデターだね。八木氏は、「皇室典範改正問題」でも、論壇の先頭を切って反政府寄りの過激な発言を繰り返してきた人だから、おそらく、自民党小泉一派の安部グループあたりが仕掛けてきた政争に巻き込まれたのだろう。論壇の保守派の多くが「安部離れ」しているというから、このクーデター劇も、そのひとつの徴候なのだろう。これで、「つくる会」も終わったね。というわけで、最近、頭の不自由なネット右翼やネット馬鹿の若者たちが、特定の政治家たちの情報工作活動の手先となり、自分たちの無知無学、無知蒙昧を棚に上げて「中韓バッシング」や「民主党バッシング」に狂奔し、我が物顔で跋扈するこの手の保守系の政治運動や市民運動のグループも、それなりの歴史的役割や思想的功績は認めるものの、そろそろ曲がり角に来たと言うべきだろう。学者や思想家は、彼等と決別し、ある場合には彼等と対決する勇気を持つべきだろう。「孤立無援の思想家」でいいではないか。



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