文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

検察と官邸の密かな取引?

渡部亮次郎氏の「西村真悟批判」を読む。数日前のことだが、渡部亮次郎氏のメルマガ「頂門の一針」に、面白い「西村真悟批判」が出ている。僕もこの記事の中身に興味を持っていたが、実は、昨夜、その渡部氏にお会いする機会があり、ちょっとお話を伺うことが出来た。むろん、僕は、渡部氏の「西村真悟批判」に同調するものではないが、最近の「マスコミの堕落」「ジャーナリストの弱点」の指摘は正鵠を得ていると思う。「首相と相撲をとる度胸のある記者も居なくなった」・・・というマスコミ批判。まったく同感である。ところで、西村真悟代議士のことを昔からよく知る年配の人達が、揃いも揃って西村真悟代議士に対して批判的で冷淡であることが気になる。何故だろうか。西村真悟代議士本人に問題があるのだろうか。それとも予想外に、西村真悟代議士が政治家として大物になり、しかもマスコミで持て囃されるような「スター政治家」になってしまったことへの「複雑な感情(コンプレックス)」が、そういう態度をとらせるのだろうか。僕には、後者であるような気がするのだが。渡部氏も、さかんに、昔は同士だった、アメリカにも一緒に旅行し、アメリカ政府に一緒に働きかけた仲だ…と強調していたが…。いずれにしろ、渡部氏がここで、「週刊新潮」の記事をネタに、大阪地検内部の動きについて書いている部分は、事実かどうかはともかくとして、記憶にとどめておくべきだろう。僕は、検察とはもっと公平で、政治的には中立なものかとずーっと思っていたが、どうもそうではないらしい。そんなことも知らなかった僕が、馬鹿なのか…(笑)。

>野党(民主党)にありながら尖閣列島拉致問題に極めて精力的に尽力
してきた弁護士代議士西村真悟氏が2005年11月28日、大阪府警大阪地検
特捜部に弁護士法違反容疑で逮捕されたので、かなりものの分かった人た
ちが「支援」を呼びかけた。

だが西村氏を多少知っている私としては「支援」の価値はないと思ってい
た。在ドイツのクライン孝子さんもやや同情的なコメントを流しておられ
たので、ちょっと違うんじゃないですか、と投書したら1日の氏の日記に
掲載された。

西村氏の地元大阪は、それこそ小生NHK記者時代、角栄氏によって飛ばさ
れて3年を過ごした土地だからまだ若干の土地勘と人脈が残っている。そ
こで調べてみると、とんでもないことが分かってきた。
東京にいては分からない。

事件は昨年(2004年)秋ごろに発覚した。交通事故の示談を引き受けた西村
事務所のニセ弁護士鈴木浩治(52)は解決の手数料として、示談金の1割ぐ
らいが相場なのに、3から5割も取っていた。

西村代議士には1割しかとらなかったとしてその半額しか入れなかった。
それにしても既にこのとき西村代議士は弁護士の名義貸しと
いう犯罪を犯した事は否定できない。

とられたほうは「高すぎるちゃいますか」と大阪府警に相談を持ちかけた。
府警はすぐ「これは上等のネタや」といったかどうか、「事件」として着
手した。

府警担当記者によると「今年3月には西村本人にも事情聴取した。保険会
社や他の弁護士の証言もしっかりしていたので、西村の逮捕は免れないと
思っていた」という。

ところが12月1日発売の「週刊新潮」(12月8日号)によると西村氏には奥
の手があったのだ。大阪地検の次席検事が京都大学時代から親しい仲だっ
た。府警がいくら証拠を積み上げて来ても、「西村逮捕」にクビを縦に振
らなかった。大阪府警、歯軋り。

西村本人は「一件落着」と安堵の胸を撫で下ろした。これが2005年3月ご
ろ。

次席検事といえば地方検察庁の現場の捜査総指揮者である。下っ端の検事
がなにを言おうが何を悪たれようが、どうすることもキャンノット。

週刊新潮」によれば西村氏の政策秘書は逮捕される前「半年ほど前、府
警に事情を聞かれました。通帳も全て提示して、西村は関わりが無かった
と証明しました」と安心。 

半年前という事は5月か6月ごろ。それが11月になって捜査再開となり、
しかも今度は府警じゃなしに大阪地方検察庁特捜部という物々しいところ
が着手するというのだから、多少しか事情を知らぬ者は仰天。

新聞記者が「週刊新潮」に喋っている。(西村は)「新人代議士は飛田新
地(昔の売春地帯)でも売れないと雑誌の対談で発言したことが総理官邸の
怒りを買ったとか、北朝鮮に対するタカ派発言から国策捜査になったとか
いう話まで出たくらい」だそうだ。

大阪には政治記者がいないから群盲象を撫でる、で大げさになる。

実際は違う。かの次席検事がよその検事正に栄転してしまったのだ。西村
は盾を失った。7月4日付だった。しかも後任の次席検事は最高検察庁
ら来た張り切りマンだった。「何か大きな事件をやりたい」。西村事件は
たちどころに再捜査となったのだ。

俺たちがモノにした事件をつぶしておいて、今度は自分たちの手柄にする
とはけしからん、と府警は怒り心頭。

結局、両者話し合いの結果が地検と府警の合同捜査。西村出頭はまず府警
に、という図式が決まったのだそうだ。要するに西村ハンは1人の大阪府
民にやられた、という渡部亮次郎の推測は今のところ当っている。

とはいえ、永田町では「小泉政権―暴走する権力、国策捜査連発」という噂が流れているのも事実だ。鈴木宗男日歯連国保連幹部に村岡兼造西村真悟氏。何人かの旧田中派代議士の引退も検察との取引など明らかにできない裏が有るらしいというもの。
オウム真理教や西新井病院、革マルや関西生コン労組などを別件で摘発したり、権力はこわい、というわけ。この裏には検察と官邸の密かな取引が小泉政権発足早々にあったのだ、という尾ひれも付いている。
私は多分、やられたほうが悔し紛れに流しているのだと思うが、真相はいつまでも分からないだろう。
これを突き止める取材力は現在の日本のマスコミには存在しない。政治記者にして警察記者、検察担当にして財界担当記者、といった総合力のある記者の育成を考えず、昔ながら、派閥担当記者ばかりで政界を回っている限り、何もつかめない。首相と相撲をとる度胸のある記者も居なくなった。ただ回っているだけの記者を昔は「水すまし」といった。
2005.12.01
渡部 亮次郎
http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm   <


(読者からのコメントより。↓↓↓)

【 名 前 】:マエダ
【 住 所 】:吹田市
すいません渡辺亮次郎氏のメルマガの記事ですが、こちら大阪ではすでに12月の頭ぐらいにはラジオで流れてました。検察の事ですからこれぐらいはありかなと思ってます。 この内容は東京方面には流れてなかったのですか、てっきり皆さん承知の記事かな思ってました。なおこの頃の産経の記事で「西村真悟議員が過去に弁護士の非弁活動を禁止する法案を国会で審議」の記事も載ってました。 私自身は何があろうと断固支持ですから大して気にもしませんでしたが、思った事は産経も過去のあら探しまでするのかいう客観的な感想だけでした。

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■いつもコメントありがとうございます。渡部氏のメルマガの記事内容は、おっしゃるとおり既報のものです。末尾の太字の部分(新聞記者、ジャーナリスト批判…)を読んでほしいことと、また西村真悟代議士を批判する人達が、どういう論理で西村批判を展開しているかということ等を…考えて少し古いものですが、引用したものです。なんせ、あの悪名高いクライン孝子の「メルマガ」にまで引用されて、いわゆる小泉一派からの「西村バッシング」に活用されていましたからねえ…(笑)。悪しからず…。






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