文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

■引き際の悪い男!小泉純一郎の総裁任期延長論

 小泉首相自民党総裁任期は来年の9月までだ。亀井静香など二、三名を例外として多くの政治家たちが選挙を怖れて自己保身に汲々している以上、それまで国民は黙って我慢するしかない。が、驚くべきことに小泉首相周辺は、「総裁任期延長」をたくらんでいるらしい。恐怖の策謀である。このまま、黙っていても首相が気まぐれに思いつき解散でもしない限り、小泉政権はあと1年4カ月は続く。任期を全うすれば、中曽根元首相を超えて歴代3位の長期政権になるらしい。それだけでも国民には悪夢だが、総裁任期延長となれば地獄である。総裁任期の延長は86年に中曽根さんがやっている。出来ないわけではない。党則の85条で『自民党の総裁任期は2年2期まで』と決まっているが、85条の2が付け加えられ、両院議員総会で3分の2以上の賛成があれば、1年以内の延長ができる、となっているらしい。いずれにしろ、小泉氏には是非とも残る任期の間に、思う存分、気の済むまでやりたい放題やってもらいたいものだ。そして潔く勇退してもらいたいものだ。と言うのはもちろん皮肉だ。おそらくこの男は引き際を知らない男だろう。まともな仕事をしない男にかぎって「辞める」ということを知らない。辞めた後の責任追及を怖れていつまでも地位や肩書きに意地ぎたなくこだわり老醜をさらすものだ。どの世界にもそういう男はいる。やるべきことをやらないから、否やるべきこともわからず、分かってもやれるだけの才能がないからそういうことになるのだ。僕の知る例で言うと,「三田文学」の黄金時代を築き、名編集長と言われた作家の山川方夫の場合は、編集長として雑誌にかかわったのはわずか二年だったらしい。「何事かを成し遂げる」とはそういうものだろう。一人の人間の能力には限界がある。集中できる時間は限られている。小泉周辺の任期延長画策は小泉政権の内容空疎な実体と小泉という政治家の人間的レベルの低さを暗示している。辞めるに辞められない。そういう無恥無能な男に、われわれは日本国家の運命を委ねているのだ。こんな低レベルのハッタリ男に、われわれはいつまで振り回されなければならないのか。